テントを守る鬼のペグ 「アウトドア×伝統工芸」でものづくり

開発した「オニペグ」や「ヤマニンギョウ クマ」「ヤマテーブル」

記事 INDEX

  • オリジナル感のある山道具
  • かわいい人形とテーブルも
  • 伝統の技にふれてほしい!

 登山用アプリを開発・運営する福岡市の「YAMAP(ヤマップ)」などが、地元の伝統工芸とコラボしたアウトドアグッズを商品化しました。新たな視点で商品を企画し、伝統工芸の可能性を広げる「山×ものづくり」プロジェクトの一環。「博多人形」の技を生かしたペグ、「八女福島仏壇」から着想を得たテーブルなどが誕生しました。

オリジナル感のある山道具


魔よけにもなりそうな鬼の顔


 ペグは、先端に鬼の頭をかたどった「オニペグ」で、赤鬼と青鬼のセットです。このペグでテント入り口の両脇を固定すれば、鬼が周囲ににらみをきかせて、突然の風雨などからも守ってくれそうです。


赤鬼と青鬼の2色セット


 オニペグは長さ28センチのアルミ製で、2本で税込み5500円。鬼の頭の部分は博多人形師の小副川太郎さんがデザインし、福岡県内の鋳物メーカーが製作しました。


 粘土で作り、繊細な造形が特徴的な博多人形。本来は室内に飾るものですが、開発に関わったYAMAPの乙部晴佳さんは「博多人形の技を用いれば、ほかにない面白い山道具が作れるのではないかと考えました」と話します。


厄払いの気持ちを込めてハンマーでたたく


 オニペグを地面に打ち込む際には、ハンマーでたたけば厄払いにもなるのだとか。キャンプ場で自分のテントを見分ける目印にもなりそうで、同社広報の千田英史さんは「オリジナル感のあるテントサイトを演出できますよ」と話します。


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かわいい人形とテーブルも

 ペグのほかに、伝統の技が光る人形とテーブルも開発しました。


「すてん」(左)と「ぺたん」


 山登りの機会に恵まれない日々が続いても、自宅にいながら山を感じられるように――と、作られたのがヒグマをモチーフにした人形「ヤマニンギョウ クマ」です。「すてん」と「ぺたん」の2種類(各税込み3850円)があります。


存在感のある背中とふっくらした胴体。博多人形の写実性が生かされている


 博多人形師の松尾吉将さんが原型づくりから型取り、彩色までを手がけました。かわいらしいポーズで、ふっくらとした毛並みの表現やつぶらな瞳が、素焼きの粘土でできた人形とは思えない柔らかさを感じさせます。


天板が雲のような形の「ヤマテーブル」


 キャンプ場などで使えるコンパクトな「ヤマテーブル」(税込み1万1550円)は、福岡県八女市の八女福島仏壇がヒントに。天板が仏壇装飾の雲のような形をしており、マグカップや調理器具などを載せられるローテーブルです。


伝統の技にふれてほしい!

 「山×ものづくり」プロジェクトは、YAMAPと九州の物産を扱う地域商社「うなぎの寝床」(八女市)などが2019年から共同で始めました。これまでに、山をテーマにした風呂敷や、禅宗の僧侶が食事で使う器をアレンジした商品を開発してきました。

 第3弾となる「オニペグ」「ヤマニンギョウ クマ」「ヤマテーブル」は、福岡県が実施した「伝統的工芸品新商品開発事業」で提案し、かたちにしたものです。伝統工芸品になじみのない人たちを念頭に、その魅力にふれてほしいとの願いを込めて開発したそうです。


オニペグの原案となったスケッチ


 完成した商品は、ヤマップうなぎの寝床のオンラインショップ、ヤマップ直営店で販売しています。乙部さんは「伝統工芸品への印象も変わると思います。たくさんの人に手に取ってほしい」と話しています。



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