がん患者に安心のサロンを 福岡市のNPOが検索サイトを開設

チアーズビューティーの利用を呼びかける鈴木さん(右)ら

 福岡市のNPO法人「ウィッグリング・ジャパン」が、抗がん剤治療の副作用で脱毛に悩むがん患者のための生活情報サイトを開設した。安心して利用できる店を検索してもらおうと、患者の髪やウィッグ(かつら)のカットに対応できる美容室などを紹介している。

店舗ごとに情報を掲載

 サイトは「チアーズビューティー」。エリアを絞ってサロンを検索でき、店舗ごとにウィッグの取り扱いや個室対応の有無、ウィッグのカットに応じているかなどを掲載する。理学療法士らが施術するリンパケアの施設なども合わせて、現在は福岡県内8店のほか、鹿児島、東京などの計30店舗を紹介している。

 同法人は、2010年からがん患者を対象にウィッグのレンタルや販売をしている。脱毛の相談にも応じる中で、利用者から「外から中が見えるガラス張りの美容室には行きにくい」「がん治療の知識がある美容師を知りたい」といった声が多く寄せられていたことから、情報サイトを制作した。制作には、クラウドファンディング(CF)で集まった約190万円の支援金を利用した。

患者に寄り添えるよう


サイト「チアーズビューティー」のトップ画面


 サイトに掲載されている福岡県新宮町の「ドアール美容室」は、元看護師の立石幸枝さん(57)が経営している。病院でがん患者を支えた経験を生かして相談に乗っており、脱毛後に残った地毛のカットなどを行う。個室や営業時間外での個別対応が可能という。「見た目を整えると生きる勇気が湧くもの。悩む人たちの力になりたい」と話す。

 がん患者に体験を聞く特集記事なども掲載していく予定。同法人スタッフの鈴木恵さん(32)は「困っている患者に寄り添えるように、内容を充実させていきたい」と意気込む。

サイトの掲載店を募集

 同法人はサイトに掲載するサロンを募集している。問い合わせはウィッグリング・ジャパン(092-725-6623)へ。


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