甘酒で夏バテ防止! 色とりどり、味さまざまで「腸活」でも注目
江戸時代から夏バテ防止に飲まれてきた発酵飲料・甘酒。近年の「腸活」ブームで若者からも注目を集めています。果物と掛け合わせて飲みやすくしたものなど、新しいタイプも登場しています。
大人から子どもまで
福岡県豊前市にある老舗の醤油蔵「浦野醤油醸造元」を訪ねると、企画・営業担当の浦野敦子さんが「これからの季節はブルーベリーがおすすめ。さっぱり飲めますよ」と教えてくれました。
ほかにも青梅や巨峰、トマトなど旬の果物や野菜を配合した甘酒があります。発芽玄米や黒米を使ったものもあり、蔵に隣接した店には、季節に応じて7~8種が並びます。「甘酒といってもアルコール分は含まれません。砂糖を使わない自然な甘さで大人から子どもまで楽しめます」と浦野さんは話します。
野菜や果物も配合
蔵は江戸末期の創業で、醤油や味噌、甘酒などを造ってきました。6代目となる夫と10年ほど前に結婚した浦野さんは、こうした発酵食品を仕込む際に使われる米こうじに着目し、「若い世代にも、発酵食品の魅力を知ってほしい」と、甘酒の新製品の開発に取り組みました。
使う果物の水分量などによって配合を調整し、2013年頃から販売を始めたのが「にじいろ甘酒」。福岡県産品にこだわり、夏の主力のブルーベリーは隣町の上毛町と築上町の農家から直接買い付けています。
甘酒は正月や桃の節句など、冬の飲み物と思われがちですが、俳句では夏の季語です。しっかり冷やすと飲みやすく、豆乳や炭酸水で割ったり、凍らせてシャーベットにしたりするのもおすすめといいます。
「にじいろ甘酒」は1本540円(税込み)から。JR博多駅そばの博多マルイにある福岡県商工会連合会のアンテナショップ「DOCORE(どぉこれ)」でも販売しています。健康や美容のために腸内環境を整える「腸活」ブームが続いていることも追い風となり、甘酒を初めて飲むという若者からも好評なのだそうです。浦野さんは「見た目も味もとりどり。楽しんで健康維持に役立ててほしい」と笑顔を見せました。
冷凍してアイス気分
福岡県那珂川市の「マルサン醤油醸造元」は、加熱処理していない「生甘酒」をパウチに入れ、冷凍して販売しています。同社の勝野光代さんによると、一般的な甘酒は発酵を止めるために加熱処理をしますが、非加熱だと酵素が生きているため、腸内環境の改善により役立つとのことです。
うるち米や玄米のほか、那珂川市の木「ヤマモモ」を使用したものなど計7種。110グラムの飲みきりサイズで215円(税込み)から。勝野さんは「スポーツの後やお風呂上がりにどうぞ。アイスのように手軽に口にしてほしい」とすすめてくれました。