ミクニワールドスタジアム北九州 ライン引きのマニアな現場に潜入した
記事 INDEX
- タテタテヨコヨコ
- 曲線より直線が難しい
- Jリーグのラインは高級品
ギラヴァンツ北九州のホームスタジアム「ミクニワールドスタジアム北九州」。サッカーの取材中に疑問に思ったのが、ピッチのラインについて。どうやって引いているのか。全く消えないのは「ペンキか何か?」。Jリーグの試合に向けて準備するグラウンドキーパーのライン引きの現場を取材しました。
ピッチがとにかく近いミクスタ
ミクスタは客席とピッチがとにかく近い。試合中にピッチサイドからカメラを構えると、真後ろに陣取るサポーターの歓声、悲鳴、熱狂、落胆も直に感じ取れます。
記者も知らないライン引きの世界
取材に応じてくれたのは、ミクスタのグラウンドキーパーの皆さん。この日は村上貴之さんをリーダーに、3人で作業が進められました。
ラインを引く前に準備の芝刈りです。取材した日は2日後に試合を控えていたので、あらかじめ短めに芝をそろえます。
芝刈りが終わり、ここからが本番。基準となるロープをピッチに張り巡らせます。ゴールから反対側のゴールまで100メートル以上あるので、ロープがたるまないように、綱引きの要領で全体重をかけて引っ張ります。
プロは言う「曲線より直線が難しい」と……
ラインの素となる白い液体が入った専用の手押し車が登場。ロープに沿って押していくと、真っ直ぐ、真っ白なラインが登場します。
メインスタンドとバックスタンドを結ぶラインから引きます。同じ向きを全て引き終わると、ゴール間を結ぶ方向に向き直して作業を繰り返します。
「直線を引くのが難しい。失敗できないので緊張します」。村上さんはそう言います。
直線が終わると、ペナルティーエリアやピッチ中央にある曲線です。手押し車にメジャーをくくりつけ、弧を描いていきます。最後はコーナーエリアやベンチ前へ。作業は2時間ほどで終了しました。