「押し花文化発祥の地」といわれる福岡県大牟田市が、同市出身の著名な押し花作家や子どもたちが制作した押し花作品の展示会を県庁で開いている。押し花を活用したシティープロモーション事業の一環で、4月に東京で開かれる国内最大級の押し花アート展にも参加するなどPR活動を本格的に展開する。
同市の押し花作家・杉野俊幸さん(故人)は、草花の色あせを防ぐ独自の技術を開発。NTTの押し花電報に採用されたほか、各地で教室を開き、押し花文化を全国に広めた。
「あまおう」の作品も
息子の宣雄さんも国内外で活躍する作家で、一般社団法人・世界押花芸術協会の会長を務める。4月スタートのNHK連続テレビ小説「らんまん」で登場する押し花の制作に協力するなど、普及に力を入れている。
展示会は県庁1階ロビーで3月末まで開催。大牟田の風景写真や高校生の書道と押し花を組み合わせた作品、県産イチゴ「あまおう」を押し花にした作品「苺一絵(いちごいちえ)」など30点が並ぶ。
杉野さんは3月22日、副知事を訪問して「苺一絵」を寄贈。「盆栽のように、押し花も世界共通語になるよう広めたい」と意気込みを語った。
4月14~16日に東京の国営昭和記念公園で開かれ、国内外から約500点が出品される「花と緑で楽しむアートクラフト展in東京2023」(読売新聞社など後援)では、「大牟田市長賞」を設けるなどし、市長がトップセールスでPR活動を行う。大牟田市内でも、同展の受賞作品の巡回展など、押し花文化の普及に向けた様々な企画を検討している。