柳川の珍味・粕漬が「100年フード」に! 文化庁認定

 福岡県柳川市を代表する珍味で、酒かすに貝柱や二枚貝の一種の海茸(うみたけ)を漬け込んだ「粕漬(かすづけ)」が、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を文化庁が認定する「100年フード」に選ばれた。同市では、昨年3月に認定された郷土料理「うなぎのせいろ蒸し」に続いて2件目。

貝柱や海茸 じっくり熟成


水産堂の「海茸粕漬」(手前)と「貝柱粕漬」(柳川ブランド推進協議会提供)

 100年フードの認定は、文化庁が多様な食文化の継承と振興を目的に2021年度から始めた。22年度は90件の応募があり、「伝統の100年フード部門~江戸時代から続く郷土の料理~」で、同市や柳川商工会議所などでつくる柳川ブランド推進協議会が応募した「福岡柳川/貝柱粕漬・海茸粕漬」など70件が選ばれた。

 同協議会によると、柳川市は有明海の豊かな海の幸に恵まれ、酒どころでもあったことから、酒かすに生の海産物を漬け込んで食べる独特の食文化が江戸時代から続いてきたという。市内では今も多くの事業者が製造販売しており、同協議会は水産堂の「海茸粕漬」と「貝柱粕漬」、高橋商店の「金印貝柱粕漬」を柳川ブランドに認定している。

ロゴ活用し販路拡大へ

 水産堂は1923年、創業者が貝柱の粕漬を初めて製造販売した。うま味豊かな貝柱や、こりこりとした海茸を数種類をブレンドした酒かすに漬け込んでいる。

 高橋商店の粕漬は、46年に12代当主がタイラギの貝柱を粕漬にしたのが始まり。大量の貝柱を酒かすに漬け込み、2か月熟成させて、もっちりとした食感に仕上げる。ご飯のお供や酒の肴(さかな)として愛されている。

 同協議会は、物産展などで100年フード認定を示すロゴマークを使ってPRするなど、販路拡大につなげたい考えだ。


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