JR博多駅前(福岡市博多区)で建て替え計画が進む西日本シティ銀行の新本店ビルの外観デザインなどが発表されました。新ビルの延べ床面積は旧本店の約3倍となる7万5678平方メートル。1階は飲食や物販などの商業フロアになり、広場も設けられます。2026年1月に完成の予定で、福岡の玄関口に新たなランドマークが誕生します。
「博多コネクティッド」に認定
ビルは同行と地場不動産大手・福岡地所の共同開発で、今年11月頃に着工の予定。地上14階、地下4階建てで、福岡市の駅周辺再開発促進策「博多コネクティッド」の認定を受けた目玉プロジェクトになります。
デザインはデンマークを拠点とする建築事務所が担当しました。博多口の交差点に接する1階のエントランス部分は、屋根がせり出した約500平方メートルの屋外広場で、大型連休の恒例イベント「博多どんたく」の演舞台などに使える「にぎわい空間」とします。飲食や物販などのテナントを誘致する1階は、銀行利用者だけでなく、多くの市民が集える場にする考えです。
地下2階は400人収容の音楽ホールが入り、博多駅の地下通路と直結。銀行の本店は2~9階の一部に入り、上層階はオフィスとして貸し出す計画です。
本店別館・事務本部も建て替え
旧本店は世界的建築家の故・磯崎新氏の設計で、斬新なデザインと茶褐色の外壁が特徴的でした。西日本シティ銀行では、本店の建て替えと連動して、現在、本店機能を置いている近くの本店別館ビルと事務本部ビルも建て替える計画です。
こちらの再開発では、旧本店の特徴的な意匠などを取り入れた設計にすることを検討しており、磯崎氏の事務所と協議中とのことです。旧本店の外壁の一部も活用する予定です。
村上英之頭取は3月30日の記者会見で「本店の建て替え計画では、福岡市全体の盛り上がりを期待する多くの声をいただいた。広場やホールの設置だけでなく、地域や文化への貢献も含めて、建物の価値を高めていきたい」と話しました。