「動画でドドン」 小倉祇園太鼓、ゲーム感覚で担い手確保

 約400年の歴史がある北九州市の夏祭り「小倉祇園太鼓」(国重要無形民俗文化財)の太鼓技術の継承に役立てようと、同市小倉北区役所は、太鼓の打ち方や祭りの歴史などを解説するレクチャー動画「太鼓でドドン」を製作した。少子高齢化などで祭りの参加者が減少する中、動画を活用して子どもたちが祭りに触れる機会を増やし、新たな担い手の確保につなげるのが狙いだ。


リズムゲーム形式で太鼓の打ち方が学べるレクチャー動画(北九州市小倉北区役所提供)

子どもが親しめるように

 祭りの保存振興会によると、約20年前には160を超える町内会や企業などの団体が保存振興会に加盟し、各団体ごとに太鼓の打ち方を継承してきた。ただ、団体数は大きく減っており、加盟団体でも「人数がそろわない」と祭りへの参加を取りやめるケースも出てきているという。

 さらに、新型コロナウイルスの影響で祭りが2年続けて中止となり、継承の機会が失われたことから、同区役所と保存振興会は昨年、小学校などで祭りの歴史や太鼓について教える「太鼓塾」を開催。今回は子どもたちが気軽に祭りに触れ、太鼓の基本を学ぶ機会をつくろうと動画を製作したという。

 動画は約15分で、クイズを交えて祭りの歴史を学ぶ学習パートと、太鼓の打ち方などを紹介する体験パートなどで構成。体験パートでは、バチの握り方や構え、「ドロ」や「カン」という独特の打法を解説し、リズムゲーム形式で画面に流れてくるマークに合わせて太鼓をたたくことで、独特の拍子を練習できるように工夫している。

 同区役所では、動画のDVDを学校などへ貸し出すほか、観光客向けの体験イベントなどでも活用する計画だ。

 今年7月に行われる祭りでは、新型コロナ対策で昨年は中止したメイン行事「競演大会」について、子どもの部のみ復活する予定。同区役所総務企画課の担当者は「小倉祇園太鼓の歴史をつなげていくため、将来の担い手である子どもたちが興味を持ち、祭りに参加してもらえるように動画を活用していきたい」と話している。


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