大牟田の2団体がそろって全国表彰! 環境保全で功績

 環境保全活動を続ける福岡県大牟田市の2団体が、そろって今年度の全国表彰を受賞した。自然観察会を続ける市民団体「大牟田生物愛好会」が緑化推進運動功労者の内閣総理大臣表彰、河川敷の保全活動を続ける環境ボランティア団体「はやめにこにこ会」が「みどりの日」自然環境功労者の環境大臣表彰に輝いた。

自然観察の「大牟田生物愛好会」


受賞を報告する大牟田生物愛好会のメンバー

 緑化推進運動功労者の内閣総理大臣表彰は、緑化活動の推進や普及啓発に功績のあった個人・団体が対象で、1984年度から毎年行っている。今年度は全国から13の個人・団体が選ばれ、県内からは唯一、大牟田生物愛好会が受賞した。市によると、市内の団体の受賞は初めてという。

 同会は、草花の色あせを防ぐ独自の技術を開発したことで知られる同市出身の押し花作家・杉野俊幸さん(故人)らが中心となり、69年に結成。市やその周辺で定期的に動植物の観察会や生息調査を行い、植物が91年からの12年間で87種も減ったことを突き止めるなど学術面で成果を上げた。現在の会員は約40人で、市民向けの環境学習講座や三池山の整備・保全活動などを続けている。

 4月28日に都内のホテルで開かれた表彰式には、会員の矢納明子さんが出席。「皇后さまから『自然保護の機運が高まります』と声をかけていただき、とてもうれしかった」と話した。

河川敷の保全活動を続ける「はやめにこにこ会」


関市長(左から3人目)を表敬訪問した「はやめにこにこ会」のメンバー

 「みどりの日」自然環境功労者の環境大臣表彰は、環境省が99年度から、自然環境の保全に顕著な功績があった個人・団体を表彰。今年度は31の個人・団体が受賞し、県内では唯一、「はやめにこにこ会」が選ばれた。

 同会は、96年から諏訪川河川敷や延命公園などで活動を展開。97年には絶滅危惧種の両生類「カスミサンショウウオ」が延命公園で生息していることを発見し、現在も保護活動を続けている。今年は約200個の産卵を確認したという。

 2団体で会長を務める嶋田雅俊さん(75)らが5月30日、市役所を訪れ、関好孝市長に受賞を報告。嶋田さんは「受賞は会員活動の積み重ねによるもの。人の役に立つことが生きがいになっています」と話していた。


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