糸島市の桜井神社・高祖神社を国重文に 文化審が答申

 国の文化審議会が6月23日に行った文部科学相への答申で、福岡県内では、糸島市の桜井神社と、高祖神社の本殿を新たに重要文化財(建造物)とすることが盛り込まれた。指定されれば、県内の重要文化財(建造物)は計45件となる。

桜井神社「江戸初期の質の高い社殿群」


桜井神社の拝殿(画像はいずれも糸島市提供)

 糸島半島にある桜井神社は、福岡藩2代藩主・黒田忠之が17世紀前半に建立したとされる。拝殿の四方に、壁などを設けない「吹き放し」と呼ばれる構造となっている点などに筑前地域の特徴が表れているといい、「地域色がみられるなど、江戸初期の質の高い社殿群」と評された。

高祖神社「中世に遡る神社本殿」


高祖神社本殿

 一方、高祖神社は、糸島市と福岡市の境にある高祖山(416メートル)の西側の山腹にある。2013~17年に行われた修理に伴う調査で、本殿が1541年(天文10年)に戦国武将・原田隆種によって建立されたことが判明した。県教委によると、県内の神社本殿では2番目に古いという。柱や装飾なども16世紀後半頃の状態をとどめており、「中世に遡る神社本殿として歴史的価値が高い」と評価された。


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