2月から休館中の鞍手町歴史民俗博物館(福岡県)は、町内の他の施設に“出張”して収蔵資料などを紹介する企画展「とびだせ博物館!」を開いている。テーマを随時変えており、8月末までは町中央公民館ロビーで縄文時代の貝塚に関する資料を展示している。
休館中の町歴史民俗博物館
同博物館は町役場新庁舎の建設現場に隣接しており、工事開始に伴って2月1日から約2年間の予定で休館している。休館中も町の歴史に親しめる機会をつくろうと、収蔵資料などの出張展示を企画。4月から同館近くの「タケシタ調剤薬局くらて店」でスタートさせ、カラー化した昭和期の地元の風景写真や、国指定重要文化財・長谷観音の実物大の写真などを順次、展示している。
6月28日から会場に加わった同公民館では、町内の新延(にのぶ)貝塚に関する資料を中心に約10点を紹介。貝が堆積(たいせき)した約6000~3000年前の地層の表面を特殊な樹脂や薬品を使ってはぎ取り、そのままの状態で保存した実物資料を間近で見ることができる。時代背景などを説明するパネルも添えている。見学時間は午前8時半~午後8時半で、入場無料。休館日はない。
同博物館学芸員の古後憲浩さんは「ぜひ子どもたちに見に来てもらい、遠賀川流域の縄文時代の風景を思い浮かべてほしい」と話している。同館は、「祭り」をテーマにした新たな展示も計画しているという。