旧三井財閥の迎賓館として建てられ、石炭産業で栄えた歴史を伝える福岡県大牟田市の「三井港倶楽部(みついみなとくらぶ)」で、プロジェクションマッピングの演出を施したフランス料理の提供が始まった。関係者は「大牟田を訪れる人を増やし、周辺地域の観光活性化や地域貢献につなげたい」と話している。
三井港倶楽部は、三井三池炭鉱の礎を築いた実業家・団琢磨(だんたくま)(1858~1932年)によって1908年(明治41年)に建てられた洋館。昭和天皇や秋篠宮さまをはじめ、政財界の重鎮も訪れた。現在は三井松島ホールディングス(福岡市)が所有しており、フランス料理が楽しめるレストランや結婚式場として活用されている。
プロジェクションマッピングは、同館にすむ妖精「ミーケ」が客を楽しませるために様々なおもてなしをする内容で、福岡市の映像制作会社が手がけた。
三井三池炭鉱をイメージした夜の街並みが室内の壁に投影される幻想的なシーンから始まる。その後、テーブルの上でミーケたちが駆け回りながら同館の歴史を紹介し、メインディッシュが提供される前には料理を作る映像が流れる。デザートなどでは、クライマックスの演出としてミーケたちが音楽を楽しむシーンが投影される。
片山貴詔総支配人は「エンターテインメント性の高い映像と食のコラボを楽しんでほしい。大牟田のランドマークを目指したい」と話している。
プロジェクションマッピングの演出はディナーのみで、料金は税込み1人1万8150円から。事前予約が必要で、予約や問い合わせは三井港倶楽部(0944-51-3710)へ。