富山市の音楽教育機関でかつて学んだ九州交響楽団のクラリネット奏者らが、能登半島地震の被災者を支援しようと、6月8日に福岡市でチャリティーコンサートを開く。出演者は「音楽の学びを支えてくれた北陸の地に、音楽でできる恩返しをしたい」と願う。
北陸で学び、演奏した縁
九響のクラリネット奏者の荒木こずえさんと宇根康一郎さんは、桐朋オーケストラ・アカデミーでそれぞれ3年間学んだ。荒木さんは「北陸では、地元自治体がアカデミーの学生向けに演奏の仕事の機会を設けてくれるなど地域を挙げて支援してくれた。当時学んだことが、今も演奏に生かされている」と語る。被災地の様子を報道で知って心を痛め、「石川県も演奏で訪れた地。音楽を通して力になりたい」と荒木さんがチャリティーコンサートを思い立ったという。
コンサートには、ピアニストの林紋子さんも加わり、ベートーベン「街の歌」やグリンカ「悲愴三重奏曲」などを演奏する。荒木さんはバスクラリネットを担当する予定で、今回の編成に合わせて編曲している。
宇根さんは「珍しい編成での演奏なので、音楽を楽しんでもらいながら、被災地にも思いを寄せられる時間になれば」と話している。
6月8日、大名クロスガーデンで
6月8日午後2時から、福岡市中央区の大名クロスガーデンで。料金は3000円。収益は経費をのぞく全額が日本赤十字社を通じて被災地へ寄付される。チケットの問い合わせはクレモナ楽器(092-713-5303)へ。