初代門司駅(1891年開業)の関連遺構を巡り、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が保存を求める会長名の緊急声明を出したことを受け、北九州市の武内和久市長は7月5日、「施設の老朽化は待ったなし。市民の安心安全が第一との考えのもと、責任を持って進めていく」と語り、現地で複合公共施設整備を計画通り進める方針を示した。
保存を求めるイコモス声明受け
JR門司港駅周辺で出土した遺構を巡っては、市は追加の発掘調査と記録保存を行った上で遺構を取り壊し、今年度中に区役所などの機能を集約した施設整備に着手する方針。市議会も6月の本会議で容認した。
声明は、このまま事業が進む場合、整備撤回を求める「ヘリテージ・アラート」を発出すると警告しているが、武内市長は5日の定例記者会見で、「今回以外にも賛成、反対と様々な意見があるが、門司の未来のために適法、適切なプロセスを経ながら進めていきたいと考えている」と語った。