全国各地で活躍する現代美術作家ら28人の作品約60点を紹介する「柳川現代美術計画Ⅱ」が、福岡県柳川市の旧綿貫家住宅など市内6会場で開かれている。作家らは各会場の雰囲気に合わせたオブジェや絵画などを展示しており、主催する同市教育委員会は「柳川らしさを新しいスタイルの芸術で表現し、市民の文化芸術に対する関心を高めたい」としている。
市内6会場に28人の作品
2023年に続いて2回目で、福島県いわき市出身のインスタレーション(空間芸術)作家、吉田重信さん(66)が中心になって企画。吉田さんは東日本大震災の記憶を伝え、復興を支援しようと各地で活動しており、柳川市での様々な芸術イベントにも参加してきた。
交流がある国内外のアーティストに参加を呼びかけ、3月に展示会場や柳川市内を下見するなどして創作のイメージを膨らませた。23年は2会場で12人の作品を紹介したが、今回は北原白秋生家・記念館、旧戸島家住宅、新外町緑地広場(小野家屋敷跡)、柳川藩主立花邸御花、市民文化会館、旧綿貫家住宅の6会場に増やした。
江戸時代に建てられた旧綿貫家住宅では、吉田さんが福島県から持ってきた白い砂の上に仏塔をイメージしたオブジェを載せた作品を展示。東日本大震災からの時間の流れや復興への祈りを表現している。
北原白秋生家・記念館では、淡い色彩で描いた絵画などを鑑賞できる。大阪府在住の立体造形作家フジモトアキコさんは、奈良県・吉野の手すき和紙を使い、カラタチの花をイメージして制作したオブジェを置いた。フジモトさんは7月6、7日に和紙で花などのオブジェを作るワークショップも開き、「体験が芸術への関心を高める。来年以降も柳川で活動したい」と話した。
8月10日まで。休館日などの問い合わせは柳川市教委生涯学習課(0944-77-8836)へ。