高精細な複製屏風を寄贈 九州国立博物館にキヤノンなど

 精密機器大手「キヤノン」と特定非営利活動法人「京都文化協会」が、福岡県太宰府市の九州国立博物館に、「四季花木草花下絵山水図押絵貼(しきかぼくそうかしたえさんすいずおしえばり)屏風(びょうぶ)」(狩野元信筆、16世紀半ば)の高精細複製品を寄贈した。


公開されている屏風

「最上級の分身」

 同博物館などによると、縦約1メートル75、横約3メートル75の屏風が二つで一組の作品になっている。実物は米・スミソニアン国立アジア美術館に所蔵されているが、寄贈者の遺言で門外不出とされている。

 キヤノンと京都文化協会が共同で2007年から、鑑賞の機会が限られている文化財の高精細複製品の制作に取り組んでいる「綴(つづり)プロジェクト」の一つで、実物を撮影、画像処理し、京都の伝統工芸士が金箔(きんぱく)を貼るなどして屏風に仕立てた。

 2月4日に同博物館で受贈式があり、スミソニアンで2度、研究のために実物を見ている畑靖紀主任研究員は「本物と見まごうような、最上級の分身」と語った。3月16日まで館内で公開される。


advertisement

この記事をシェアする