山陽新幹線が全線開業50年 「これからもワクワクを!」
JR新大阪駅と博多駅を結ぶ山陽新幹線が全線開業50年を迎えた3月10日、福岡県内では博多駅と小倉駅で記念の出発式が行われた。山陽新幹線は新しいスタートを切り、鉄道ファンからは「これからも多くの人を楽しませて」と期待の声が上がった。
博多駅で
博多駅の出発式では、JR西日本の折中啓也・新幹線本部長が「安全安心で信頼される新幹線を作り上げ、地域社会の発展に貢献していく」とあいさつし、同社の関係者らがテープカットで記念の日を祝った。その後、吉井彰浩・博多駅長の合図で、東京行き「のぞみ10号」が警笛を鳴らしながらホームを後にした。
式典を見に博多駅を訪れた福岡市東区の会社員(54)は「初めて新幹線に乗ったのは就職で神奈川県に行く20歳の時。緊張しながら乗った思い出がある」と振り返る。「所要時間の短縮など、技術の進歩がすごい。今後も安全に運行し、多くの人をワクワクさせてほしい」と声を弾ませた。
小倉駅で
小倉駅で行われた出発式には、北九州市の武内和久市長らが参加。北九州商工会議所の野畑昭彦副会頭は「全線開業は、地域経済の発展や人々の活発な交流をもたらした」と感謝を述べた。武内市長は式典後、報道陣の取材に「50年間、通勤や観光などに力を発揮してきた北九州市の大きな宝物。これからも(新幹線を生かして)街のにぎわいを作っていきたい」と語った。
旅行のため、同駅で新幹線を待っていた山口県下関市の女性(66)は「高校の修学旅行で開業したばかりの山陽新幹線に乗ることになり、乗り方の練習をしたのを覚えている。50年とは感慨深い」と話していた。