「芦屋釜の里」が開館30周年 記念の企画展を開催中

2025.05.13

 福岡県芦屋町の文化施設「芦屋釜の里」で、5月に開館30周年を迎えたことを記念した企画展「復興芦屋釜の美~館蔵名品選~」が開かれている。6月29日まで。


開館30年を迎えた「芦屋釜の里」

 芦屋釜は茶の湯釜の名品として知られる。同施設は、江戸時代初期頃に制作が途絶えた芦屋釜の復興を目指し、1995年5月1日に開館。総面積約1万3200平方メートルで、復興工房や資料館のほか、日本庭園や大茶室などを備える。

 開館から3月末までの累計有料入館者数は48万2112人。収蔵資料は計129点となり、2024年11月には国重要文化財「芦屋霰地真形(あられじしんなり)」を収蔵・展示する施設も誕生した。


茶の湯釜などが並ぶ企画展会場

 同町では鋳物師の育成に取り組み、22年9月には「現代の芦屋釜」が県知事指定特産工芸品となった。新郷英弘館長(48)は「ゼロからスタートし、県知事指定までこぎつけ、成果を上げてきた」と振り返り、「技術の継承に向けて新しい鋳物師の養成や、さらに芦屋釜を全国に知ってもらう努力を続けたい」と意欲を語る。

 企画展では、芦屋霰地真形のほか収集した茶道具の名品など計24点を紹介。復興に向けた30年間の取り組みの中で指導にあたった人間国宝の角谷一圭さん(故人)や、鋳物師として養成されて独立した八木孝弘さん(52)と樋口陽介さん(44)らの茶の湯釜も並ぶ。

 月曜休館。入館料は18歳以上300円、小中高校生100円。問い合わせは同施設(093-223-5881)へ。


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