北九州市ゆかりの漫画家・松本零士さん(1938~2023年)の没後初の大型展覧会「『銀河鉄道999』50周年プロジェクト 松本零士展 創作の旅路」が、初代名誉館長を務めた市漫画ミュージアム(小倉北区)で開かれている。原画や資料など約300点を展示し、創作活動で未来に託したメッセージを読み解くことをテーマに掲げる。
松本さんは福岡県久留米市生まれ。小中高時代を北九州市で過ごし、小倉南高在学中に「蜜蜂の冒険」で商業誌デビューを果たした。卒業後に上京し、代表作「銀河鉄道999」や「宇宙海賊キャプテンハーロック」「男おいどん」などを生み出した。同ミュージアムでは、開館した2012年8月から21年6月まで名誉館長を務めた。
今回の展覧会は東京に次いで2か所目の開催で、高校卒業前後に描いた未発表の習作「南蛮船襲来」や「銀河鉄道999」の最終原稿などを公開。また、創作ノートや自筆絵コンテ、愛用の帽子や眼鏡などの資料を並べ、画業を振り返っている。
会場では9月下旬、開幕セレモニーが行われた。ミュージアムの田中時彦館長は「『999』は小倉駅発着の蒸気機関車がモデルとされる」とのエピソードを紹介。長女で著作権を管理する零時社の松本摩紀子社長は「松本は、小倉で育ったことが心の支えになったと思う。展覧会の開催で帰ってこられた」と語った。
2026年1月12日まで。火曜(12月30日を除く)と12月31日~26年1月3日は休館。一般1800円、中高生300円、小学生200円。問い合わせは同ミュージアム(093-512-5077)へ。
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