「関門連携」の強化で観光を活性化へ 北九州市と下関市

 関門海峡を挟んだ北九州市と山口県下関市が、「関門連携」の強化に乗り出した。今年は北九州市門司区の観光地「門司港レトロ」が整備30周年の節目を迎え、下関市ではリゾートホテルの開業が控えている。追い風を生かして観光客の周遊や滞在時間延長を促すほか、関門トンネルなどを利用した「インフラツーリズム」を活性化させ、国内外から人を呼び込みたい考えだ。

周遊や滞在時間延長を目指す


「九州最北端の記念碑」の前で握手する武内市長(左)と前田市長

 同区では11月4日、「九州最北端の記念碑」が設置され、両市の市長が参加して除幕式が行われた。下関市・毘沙ノ鼻(びしゃのはな)には2004年に本州最西端の碑が設置されており、両市は2か所を訪れた人に「関門二極踏破証明書」の無料発行を同日から開始した。北九州市門司港レトロ課の担当者は「両方の碑を巡ることで、関門エリアでの滞在時間の延長や宿泊につなげたい」と狙いを語る。

 関門エリアは9月、国際非営利団体から「世界の持続可能な観光地トップ100」に選ばれた。本州と九州を結ぶ関門トンネルと関門橋の巨大インフラがあり、一般社団法人「海峡都市関門DMO」などが関門トンネルのバックヤードツアーなどを企画している。両地域が一つの観光圏としてつながり、インフラツーリズムで歴史や建設技術などを学べる点が評価されたという。

 両市の首長は4日、除幕式後に会談し、インフラを観光資源化する同法人の取り組みに協力することで合意。また、北九州市が力を入れている「すしの魅力発信」に下関市が加わることも決めた。

 北九州市の武内和久市長は「このエリアには大きな可能性があると確信している。新しい連携の形を積み重ねたい」と意気込んだ。

 下関市の前田晋太郎市長は、海外客の利用も見込まれる「星野リゾート」のホテルが12月に同市で開業することに触れ、「両市で発信すれば、すしなど色々な面で魅力を世界に打ち出せる」と話した。


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