「田んぼダム」で水害を防げ!治水進める久留米市が普及に力

田んぼダム用のセキ板を点検して再設置する山口さん

 豪雨災害の対策として、雨水を一時的に水田にためる「田んぼダム」の取り組みが、福岡県久留米市を中心に広がっている。大がかりな工事をせずに河川の急激な増水を抑制する効果が期待できるとして、自治体が普及に力を入れている。

セキ板の設置で簡単に

 田んぼダムは、水田の排水口に「セキ板」を設置して河川への流出量を調整する仕組み。水田に降った雨水を時間をかけてゆっくり排水することで下流域の水位上昇を抑制し、浸水被害のリスクを低減させることが期待できる。

 久留米市は2022年度に取り組みを開始。農家らに協力を呼びかけ、セキ板の製作費や維持管理費として、板1枚あたり1000円、取り組み面積0.1ヘクタールあたり1000円、PR用のぼり旗の設置に1万円などを補助している。

 この結果、協力する水田面積は22年度の41ヘクタールから25年度には447ヘクタールに増加。26年度は500ヘクタール超で取り組んでおり、セキ板で貯水位が10センチ上昇した場合、計約50万トンを一時的に貯水できる規模という。


水田の排水口に設置されたセキ板=久留米市提供


地域全体の協力で効果


 同市の農業山口耕平さん(31)は、25年から約8ヘクタールで田んぼダムに取り組んでいる。自ら木の板に切れ込みを入れて排水口に設置。7月初旬の大雨では一時、稲がつかるほど水位が上がったというが、成長には問題なかったという。「(維持管理は)周囲の草刈り程度で取り付けも簡単。少しでも水害対策の役に立てたらうれしい」と語る。

 福岡県によると、県内の取り組み面積は25年度で765ヘクタール。いち早く市民協働で流域治水を進めている久留米市が6割近くを占める。

 同市農村森林整備課は「田んぼダムは流域全体で取り組むことで効果が発揮されるため、地域全体の協力が必要」として「今後もさらに田んぼダム実施面積を増やしていく」としている。


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