昆虫食という選択 福岡の健康食品会社がカップ麺「コオロギうどん」を開発したわけ
記事 INDEX
- 昆虫食ブランド「bugoom」
- 1杯にコオロギ100匹分
- タンパク源の選択肢に!
健康食品の製造・販売などを手がける日本サプリメントフーズ(福岡市)が、カップ麺「コオロギうどん」を発売しました。乾燥させたコオロギの粉末を練り込んだ麺は、普通のうどんの見た目に近く、タンパク源が注目される昆虫食の"入門編"として開発したそうです。
昆虫食ブランド「bugoom」
日本サプリメントフーズは、2019年から昆虫食ブランド「bugoom」を展開。昆虫食が浸透しているタイから商品を輸入し、通販サイトで取り扱っているほか、卸売りも行っています。
2020年5月には、福岡市中央区に昆虫食専門店「bugoom大名店」をオープンしました。コオロギやタガメ、竹をたべるバンブーワームなどの自社ブランド商品から、コーヒーやプロテインバーといった他社製品まで40~50種類をそろえています。
1杯にコオロギ100匹分
bugoom大名店のストアマネジャー・関幸祐さんによると、昆虫はタンパク質が豊富で、家畜などを育てるより環境への負荷も少ないそう。ただ日本では、形をそのままとどめた昆虫食を敬遠する消費者がまだまだ多いのが現状です。
そこで昨年末から開発を始めたのが、昆虫食の長所を生かす一方、その姿かたちは見えない「コオロギうどん」です。製造は静岡県の製麺所に委託。コオロギの粉末と小麦粉の配合を調整し、風味は残しつつ、うどんの食感がしっかり楽しめる仕上がりを目指したそうです。
試行錯誤の末、1杯のうどん麺に練り込むコオロギは約100匹分、カップ麺の価格は税込み810円に。それでも物足りないという人には、形をとどめた乾燥コオロギをトッピングできる「追いコオロギうどんセット」(税込み1750円)も用意しました。
うどんは、カップに熱湯を注いで電子レンジで4分加熱すれば完成です。麺をすすると、ほのかな香ばしさとだしのうまみが感じられます。麺のコシはほどよく、想像していたほどのクセもありません。
半分ほど食べた後、追いコオロギで「味変」してみると、干しエビのような香ばしさがより強くなり、サクサクした食感を楽しむことができました。
タンパク源の選択肢に!
7月26日に販売を始めて以降、話題性もあって売れ行きは好調とのことです。自身も当初は抵抗があったものの、今では普段の食事に昆虫を取り入れているという関さん。昆虫食に大きな可能性を感じ、新商品の開発も考えているそうです。
関さんは「見た目はぎょっとするかもしれませんが、昆虫は肉や魚と同じように食べられます。コオロギうどんをきっかけに昆虫食が広まって、人々のタンパク源の選択肢の一つになれば」と話しています。
店名 | bugoom大名店 |
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所在地 | 福岡市中央区大名1-3-5 |
営業時間 | 12:00~21:00 (不定休) |
公式サイト | 昆虫食ならbugoom |