「子育てしながら働きたい」をサポートするコワーキングスペースが福岡市に登場

託児ルームを備えたコワーキングスペース「CREATIVE ROOM」

記事 INDEX

  • 保育士による託児サービス
  • 多様な働き方に向けて
  • 女性の背中を押す施設に

 子どもと一緒にいたいけど、仕事もしたい――。そうしたママ・パパの思いに寄り添いたいと、保育士による託児サービス付きのコワーキングスペース「CREATIVE ROOM」が、福岡市中央区大名に登場しました。こうした施設は全国でも珍しいといい、東京の企業などが月額制の会員になるなど利用が広がっています。

保育士による託児サービス

 CREATIVE ROOMは約100平方メートルで、大名の雑居ビル2階に2月にオープンしました。19人まで利用可能なコワーキングスペースがあり、企業向けのサテライトスペース(2室、最大2人または4人)も備えています。


コワーキングスペースの左右の奥にサテライトスペースがある

 コワーキングスペースは、フリーランスや保育園が見つかるまでの預け先を探す会社員らの利用を見込んでいます。サテライトスペースは、主に県外企業による活用を想定しています。


保育士が子どもの世話をする託児ルーム

 この施設の強みは託児ルームです。開設した「スタイルクリエイト」(福岡市)は福岡市内で保育施設5園を運営しており、保育士らが最大5人の子どもを預かります。


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多様な働き方に向けて

 開設を主導した麻生有花社長(42)は、コロナ禍で休園や休校が相次ぐ中、子どもをみながら在宅で働く難しさに悩む保護者らの声を耳にしました。

 自身も小学校と高校に通う娘2人を育てる母親。やはり自宅でリモートワークをしてみて、その大変さを実感したそうです。

 子どもとのいい距離感をつくれれば、子育て世代の多様な働き方につながるはず――。その思いから、託児ができる施設の実現に動き出しました。


防音ガラス越しに子どもの様子を確認できる

 託児ルームとコワーキングスペースを隔てるのは防音ガラス。これも「パソコン作業の合間に子どもの様子がすぐ見えれば安心」という親心に応えようと麻生社長が発案しました。

女性の背中を押す施設に

 仕事の場所を用意するだけでなく、働く意思を持つママたちの背中を押そうと、同社は4月23日に「働きたい女性のためのお仕事マルシェ」を初開催しました。


4月に開かれたお仕事マルシェ

 同社を含め、リモートで働く人材を探している3社が、求める職種や採用条件を説明。オンライン参加を含む約20人が耳を傾けました。出展企業の一つ「WAmazing」(東京)の担当者は「九州エリアの事業強化のためにも人材が必要。我が社は社長や部署トップらもママたちです」と"ママ人材"の採用へ熱意を語りました。

 福岡県須恵町の主婦(38)は、ともに来場した1歳の三女を含めて4人を子育て中。「『ママ』をしながら仕事を見つけるのは難しい」と感じていたそうですが、託児サービスを利用しながら各社の説明を聞き、「ここは安心して子どもが遊べる。前向きに職探しをしたいです」と話していました。


 麻生社長は「子育てをしながら働くことをあきらめたり、罪悪感を持ちながら働いたりする親は多い」と指摘します。「子どもが楽しめ、ママも集中して働ける場所」として施設をPRし、企業や個人の利用を広げていく考えです。

 施設の詳細や利用料金などは公式サイトで紹介しています。


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