涼が吹き抜ける風鈴のトンネル 田川市の三井寺に夏の風物詩がお目見え

短冊の付いた風鈴が、風に吹かれて涼しげに鳴る

 「風鈴寺」の愛称で知られる、福岡県田川市の真言宗御室派平等寺(通称・三井寺)に、約1万個の風鈴がお目見えした。

コロナ終息、ウクライナの平和……

 境内に風が吹き抜けると涼しげな音色に包まれる「風鈴のトンネル」は、この時期の田川の風物詩になっている。近年、SNSや口コミで人気が広がり、新しい観光スポットとしても注目を集めている。


1万個の風鈴で彩られたトンネル

 日出智良住職(62)が手作りした柵に、幅約2.5メートル、長さ約50メートルにわたって風鈴がつるされ、短冊には参拝者らの願い事が記されている。今年は、コロナ禍の終息や、ウクライナの平和を願う短冊も見られる。


ウクライナの平和を祈る短冊も


advertisement

参拝者が喜ぶ声を励みに

 毎年、台風の接近前にすべての風鈴を箱に戻し、通過後につるし直しているという。日出住職は「たいへんな作業ですが、参拝者から『心が安らぎます』といった声を聞くと、頑張ろうという思いになります」とほほえんだ。


「癒やし係」として人気の飼い猫を抱え、笑顔の日出住職(右)と妻の由梨子さん

 境内には風鈴のほかにも「癒やしを感じてもらえるように」と様々な演出が施されている。ガッツポーズ地蔵、ほほえみ地蔵、千手観世音菩薩など表情豊かで個性あふれるお地蔵さまに境内の各所で出会うことができる。


境内で見られる様々なお地蔵さま

シャボン玉の"雨"も

 風鈴のトンネルの入り口には1時間に2回、シャボン玉の"雨"を降らせる機器を設置。こちらもインスタ映えすると好評だ。紅葉の季節には風鈴の代わりに色とりどりの風車を飾った「風車のトンネル」が登場する予定だ。


境内を漂う無数のシャボン玉に子どもも大喜び


 同県吉富町から望遠レンズや三脚を持参した広津隆己さん(68)は「毎年来ていますが、風鈴も増えているので、今年はこれまでで一番幻想的ですね」と盛んにシャッターを切っていた。


風が吹くと涼しげな音色で境内は満たされる

 風鈴の涼しげな音色は9月末まで楽しめるという。



advertisement

この記事をシェアする