体験を通して「海とのかかわり」を考えよう 春住小学校で工作イベント
福岡市博多区の春住小学校の体育館で11月3、4日、海をテーマにした工作イベントが開かれました。近隣の家族連れら約300人が段ボールや絵の具を自由に使って、体育館いっぱいに海を再現する時間を共有しました。
海を身近に感じてほしい
海にかかわる思い出づくりの場を設け、子どもたちに環境問題への関心をもってもらえたら――。春住小学校での「海から見つめる子どもランドスケープ『ふくおか』」のイベントは、日本財団が全国で進める「海と日本プロジェクト」の一環として行われました。
福岡市博多区の美術教室「山王ひなた美術教室」も、8月の準備段階からイベントの企画・運営に携わり、玄界灘の海の幸を描く「お魚絵画コンテスト」、ダイバーを講師に迎えての「ダイバーから学ぶ福岡の海」など多彩なプログラムを実施してきました。
山王ひなた美術教室を運営する成田鐘哲さんは、教室に通う小学生や園児らと日々接する中で、「福岡の子どもたちの"海に対する憧憬"が薄れてきたように感じていました」といいます。海にかかわる機会を設け、みんなで共有することにより、表現にも何かよい影響が期待できるかもしれないと考え、昨年から日本財団のプロジェクトに取り組むようになりました。
長崎県の壱岐や平戸など、生活と海との結びつきが強い地域での宿泊体験もありました。子どもたちは美しく雄大な海に飛び込んで、暮らしを豊かにしてくれる海の大切さを体で感じたといいます。
福岡と海の未来を描く
春住小学校での工作は、「海とかかわる福岡の未来を描こう」というテーマで行われました。11メートル四方の青いシートを海に見立て、その上に子どもたちの作品を並べていきます。九州産業大学造形短期大学部の講師や学生たちも、全体の総合監督として協力し、レーザーカッターと業務用ダンボールで組み上げた大きな作品も次々と生まれました。
学生たちの助けも借りながら、参加者は思い思いに作品に取り組みました。8月に始まった活動のすべてに参加した子どもは「どんなものをつくったら海が楽しくなるかな」「海がきれいになるものがあればいいよね」と、体験をもとにイメージを膨らませながら、創作に楽しそうに加わっていました。
来年も実施予定
「海から見つめる子どもランドスケープ『ふくおか』」は、来年度も7月ごろから実施する予定なのだそうです。遊びや体験を通じて、海とのかかわり方を見つめなおす機会として、みなさんの家庭でも参加を考えてみてはいかがでしょうか。