筑前町の田園地帯に「宇宙戦艦ヤマト」が出現 リアルなかかしが話題
「宇宙戦艦ヤマト」を模した巨大なかかしが、福岡県筑前町に登場しました。田園地帯の真ん中で凄まじい存在感を放っており、地元の人や観光客らが連日のように訪れては、勇壮な姿を撮影しています。2020年1月中旬まで展示される予定だそうです。
ヤマト2202版をモデルに
宇宙戦艦が現れたのは、福岡県筑前町にある「安の里公園」です。全長16.6メートル、高さ4.8メートル。「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」で描かれたヤマト(全長333メートル)の20分の1サイズです。作品の設定資料を取り寄せて、縮尺を忠実に再現したというこだわりようです。
11月2、3日に行われた「ど~んとかがし祭」に合わせ、約3週間かけて制作されました。ちなみに、「かがし」は方言で「かかし」のことらしいです。
かかしとはいっても、わらで全てが作られているわけではありません。中には鉄骨が入っており、艦の曲面などは竹で形成し、その周りをわらで覆っています。艦橋や砲門は木製で、とても精巧にできています。
職人集団がこだわりました
制作したのは、地元の「筑前若者会(ちくぜんわっかもんかい)」のみなさんです。地域を盛り上げようと、消防団の同期ら約40人が退団後につくった組織で、2016年に話題になった「シン・ゴジラ」のかかしも手がけました。
筑前若者会は、木工の職人や大工もいる専門家集団です。その道のプロたちが作品に向き合うだけあって、精巧さも迫力も折り紙つきです。わらを編む作業には中学生や老人クラブの人も参加し、地元の100人以上が制作に携わります。
「わらアートは他の地域でもやっていますが、リアリティーでは負けたくないです」と力強く語るのは、筑前若者会会長の金子毅さん。設定資料を基に図面をひいたのは、金子さんだそうです。「艦尾のエンジン部分には特にこだわりました」とのことです。
金子さんは「SNSでも盛り上がっていて、これを機に多くの人が町を訪れてくれたらうれしい」と期待しています。
来年の作品の構想を尋ねると、「ノープランです」という返事でしたが、またまた驚かせてくれるかもしれません。