「カモ料理」を小郡の名物に!地元飲食店のコンテスト初開催

 カモ猟が盛んだった福岡県小郡市で、カモ料理を新たな名物として売り出し、地域振興につなげる「鴨(かも)のまちプロジェクト」が始まった。第1弾として10月25~27日、市内の飲食店がオリジナルのカモ料理を競うコンテストを初めて開く。関係者は「カモ肉のおいしさを知ってもらい、小郡に食べに来てほしい」と話している。

「100年フード」の食文化

 同市北部の三国地区はかつて雑木林が生い茂り、多くの池や沼地があったことからカモの飛来地として知られた。江戸時代には久留米藩の猟場があり、各家庭でもカモ肉を食べる食文化があったという。小郡市史には、1911年に明治天皇が陸軍の大演習で久留米を訪れた際、カモ料理が出されたとの記録も残る。


カモの飛来地として知られた(小郡市提供)

 その後、宅地開発などで飛来数が激減。江戸時代に70人以上いたという猟師も数人にまで減った。同市では今も毎年11月15日~2月15日にカモ猟が行われているが、天然のカモ肉を使った料理を提供しているのは料亭1軒のみとなっている。

 今年3月には、文化庁が長く地域に伝わる食文化を認定する「100年フード」に「小郡の鴨を取り巻く食文化」として選ばれた。

23店が独自メニューで"対決"

 同市は4月で市制施行50周年を迎えたのを機に、伝統的な食文化の継承や、カモを使った特産品の開発に取り組もうと、市商工会や地元猟友会などとともに「鴨のまちプロジェクト実行委員会」を結成した。


コンテストの参加店とマップ(実行委提供)

 コンテストには市内の飲食店23店が参加。希少な天然のカモ肉の代わりに合鴨肉を使い、串焼きや鍋料理、唐揚げ、ハンバーガー、寿司(すし)など趣向を凝らしたメニューを開発し、10月25~27日に提供する。


参加店が提供するメニューの例(実行委提供)

 チケットは1セット3枚つづりで、3店舗で料理を楽しめる。チケットの投票記入欄に気に入った店舗の番号を三つまで書き、各店舗に設置されている投票箱に入れる。

 コンテストの部会長を務める飲食店「一樹一河(いちじゅいちが)」の店主・平田信太郎さん(43)は「仙台の牛タンや博多のもつ鍋のように、カモ料理を小郡の名物として定着させ、観光の起爆剤にしたい」と意気込んでいる。


コンテストをPRする平田さん


 チケットは限定500セットを用意し、1セットは2700円(23日まで。期間中3000円)。参加店舗や市役所などにコンテストのパンフレットを置いている。詳細は小郡市役所ホームページの「鴨のまちプロジェクト」、問い合わせは実行委事務局(0942-72-2111)へ。


advertisement

この記事をシェアする

  • 季刊誌SQUARE
  • テアトルアカデミー
  • 読売新聞 購読の申し込み
  • 西部読売育英奨学会 よみいく
  • ささっとーも読める読売新聞オンラインアプリのご紹介
  • 読売旅行 行くばい!よか旅