時空を超えた物語 福岡市科学館でマンモス展が開催中

 ロシア・シベリアの永久凍土から発掘されたマンモスなどの冷凍標本を展示する「マンモス展」が、福岡市中央区六本松の福岡市科学館で開かれています。会期は2020年2月23日まで。氷河期を生きた動物たちの姿が時空を超えてよみがえります。


advertisement

福岡初上陸「ユカギルマンモス」の頭部

 ロシア北東部のサハ共和国・ウスチ=ヤンスク地区で2002年に発掘された1万7800年前の「ユカギルマンモス」の頭部冷凍標本は、2005年に開催された「愛・地球博」でも展示され、700万人が訪れました。


ユカギルマンモスの頭部(ロシア特別重要文化財)

世界初公開がたくさん

 2018年8月にサハ共和国・ベルホヤンスク地区で見つかった約4万2000年前の子ウマの冷凍標本は世界初公開。世界で唯一の古代ウマの完全な標本で、古生物学史上初めて、血液と尿を液体のまま採取することに成功しました。


子ウマ「フジ」(ロシア特別重要文化財)

 サハ共和国ノボシビルスク諸島で2013年に発掘された3万2700年前の「ケナガマンモス」の鼻を世界で初めて公開しています。9300年前の「ユカギルバイソン」(サハ共和国ウスチ=ヤンスク地区で2011年に発掘)、1600年前の「ライチョウ」(サハ共和国ベルホヤンスク地区で2016年に発掘)も世界初公開。1万2450年前の子イヌ(サハ共和国ウスチ=ヤンスク地区で2015年に発掘)は国内で初めての公開です。


ケナガマンモスの鼻(ロシア特別重要文化財)


ユカギルバイソン(ロシア特別重要文化財)


advertisement

漫画で「マンモス復活」の生命科学を解説

 マンモスの復活を目指す近畿大学の研究を漫画で説明するなど、最先端の生命科学に焦点を当てた展示もあります。また、マンモスの毛を実際に触ることもできます。

 マンモス展の古生物学分野を監修した野尻湖ナウマンゾウ博物館(長野県)の近藤洋一館長は「サハ共和国の永久凍土は、2万~4万年前の氷河時代をそのまま見せてくれる『氷河時代の動物園』です。地球環境が激変する今、冷凍マンモスは私たちに何を語りかけているのか。マンモス展を通じて考えてみてほしいです」と語りました。



イベント名称 マンモス展 その「生命」は蘇るのか
会場 福岡市科学館(福岡市中央区六本松4-2-1)
会期 2019年11月23日(土)~2020年2月23日(日)
休館日 毎週火曜と年末年始(12月28日〜1月1日)※12月24日と2月11日は開館、2月12日は閉館
開場時間 9:30~18:00(入場は閉場30分前まで)
入場料(当日券) 一般:1200円
高校・大学生:1000円
4歳~中学生:500円


advertisement

この記事をシェアする