都市型農業を実践 福岡市中央区にできた野菜工場併設カフェ
記事 INDEX
- ビルの中に緑の空間
- ハーブが香る店内
- 農業やってみない?
福岡市中央区清川、オフィスやホテルなどが立ち並ぶ大通りから路地に入った一角に、野菜工場を併設したカフェ「清川テラスCafe+」があります。水耕栽培のハーブやレタス、イチゴなどがLEDの光を浴びて育つ都心の癒やし空間を訪ねました。
ビルの中に緑の空間
イチゴをイメージした赤い外壁の3階建てビル。システム開発事業などを手がける「ハコブネ」の本社です。カフェは建物の1階に10月にオープンし、水耕栽培の設備を販売するグループ会社「FOOD CRAFT JAPAN」が運営しています。
一見、カフェがあるとは思えない外観。1階正面の引き戸から中に入ると、白を基調とした廊下が続いています。なんだか研究室のような雰囲気です。窓の向こうにイチゴの栽培スペースが見え、光合成に必要なLEDの明かりが廊下に差し込んできます。
「植物を育てている部屋は『未来農業ラボ清川』と呼んでいます」と同社営業担当の大津博孝さん。廊下の奥にあるカフェへと、大津さんが案内してくれました。
ハーブが香る店内
カフェで提供するメニューは、水耕栽培で育った野菜などを使っています。ハーブの香りが漂う店内は、植物を窓越しに眺められる位置にカウンター席が設けられているほか、ラボ内にもテーブル席があります。
ラボでは、レタスや水菜、クレソンやルッコラ、ラディッシュといった野菜、イチゴなど10種類前後を栽培しています。苗の種類にもよりますが、30~40日で収穫できるものが多いそうです。
テーブル席に着いてドリンクを注文すると、人気のミントティー(税込み500円)とフレッシュミントレモネードの炭酸割り(600円)が運ばれてきました。採れたてのハーブは香りが強く、さわやかな気分に浸れます。
ラボ内は、LEDライトで明るく、やや湿度が高い気がします。植物に与える水が流れる音が聞こえ、騒がしい都会の生活音をかき消してくれます。
フードメニューでは、バジルを使った辛さ控えめのガパオライス(850円)、ルッコラ入りミートソースパスタ(750円)などを楽しめます。メニューは、野菜の生育状況に応じて変えるそうです。
カフェではほかにも、オーガニックコーヒー(400円)などのソフトドリンク、モヒート(800円)などのアルコールも提供しています。
農業やってみない?
カフェは、ビルの空き部屋などを使って始められる水耕栽培の長所をより多くの人に広め、都市型農業を体験してもらう役割を担っています。
ここでは、部屋の温度や湿度、日照時間などを管理したり、液体肥料や水を循環させたりして野菜を育てています。室内なので除草剤や殺虫剤などを使う必要がないそうで、季節に関係なく、作物を安定的に生産できるといいます。
大津さんは「限られたスペースでも農業はできます。都会のど真ん中でお客さんがイチゴの収穫体験をできるようにしたい」と話しています。
清川テラスCafe+
所在地:福岡市中央区清川1‐12‐4
電話:092‐982‐0598
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