地下鉄薬院駅のショーケースに福岡の伝統工芸品

記事 INDEX

  • 駅構内に工芸品のショーケース
  • 博多人形や博多織の魅力を発信
  • 福かぶり猫やハカタオフクも

 博多織や博多人形など何百年もの歴史を紡いできた福岡の伝統工芸品を改めて知ってもらおうと、福岡市や生産者の組合でつくる「福岡市伝統的工芸品振興委員会」は市地下鉄七隈線の薬院駅(福岡市中央区)で、作品の展示をはじめました。地下鉄薬院駅の乗車人員は一日平均9797人(2018年度)を数えます。暮らしの中で伝統工芸品を目にする機会はわずかですが、通勤・通学などで駅を利用する人たちに束の間でも鑑賞してもらおうという試みです。


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通勤・通学で伝統の美にふれる

 券売機のそばに展示場所を知らせるサインが掲示され、2番出入口の近くに五つのショーケースが並んでいます。ケースの中には、鮮やかな博多織と博多人形が陳列されています。3月末まで展示し、4月以降は関係者で話し合って決めるそうです。



美しさと、愛らしさと

 博多織の帯地「オビジェ」は、献上柄としての品格を持ちながら、色とりどりに織り込まれた鮮やかな糸が、モダンさを演出しています。


 博多人形の「童物」には手作りのぬくもりと愛らしさがあり、豊かな表情が魅力的です。柔らかい色合いや素焼きの風合いも相まって、見ていると穏やかな気持ちになります。


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 おなじく博多人形の「福かぶり猫」は、海外からの観光客に絶大な人気があるのだとか。特に中国では、福がさかさまになっていることを『福が来る(=福到了・フーダオラ)』と言って好まれ、縁起のいいお土産として購入する人が多いそうです。


話題のハカタオフクも

 伝統的な「お福人形」と地場企業のコラボで誕生し、デザインを九州産業大学の学生が手がけたオリジナル博多人形「ハカタオフク」は10体が並んでいます。石村萬盛堂に明月堂、ウエスト、一蘭…。人形のシルエットはすべて同じですが、各社のイメージカラーやロゴマークが着物の柄に散りばめられ、それぞれの個性が光ります。


アジア美術館にもオフク

 ハカタオフクは、福岡アジア美術館(福岡市博多区)の7階アートカフェでも紹介されています。こちらは、福岡市で2019年に開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議や、ラグビー・ワールドカップ日本大会に合わせて作られた国際色豊かな31点で、各国の国旗や民族衣装などをイメージしています。観覧無料で、1月21日まで展示されています。


 時代を取り入れながら進化を続ける伝統工芸品。その魅力、作り手の思いを間近で感じてみてください。


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