福岡の人気店ツナパハの激辛カレーをレトルトで ハウスから発売

ツナパハの店の味(左奥)を目指した新商品「スリランカカリー チキン 激辛」(盛り付け例)

記事 INDEX

  • 夏季限定で再挑戦!
  • 5段階を超える「10」
  • 「九州ランカ」を先導

 ハウス食品は、福岡市の人気カレー店「不思議香菜ツナパハ」が監修したレトルトカレーを5月15日に発売しました。商品化を一度は見送ったほど、ハウスのカレー製品の中でも群を抜く辛さといい、担当者は「辛いものを食べたくなる夏に、ぜひ挑戦して」と呼びかけています。

夏季限定で再挑戦!

 新商品は「スリランカカリー チキン 激辛」。ハウスが2018年から展開している「選ばれし人気店」シリーズで、初めての季節限定品として企画されました。


夏季限定!「スリランカカリー チキン 激辛」(手前はビーフンと合わせた盛り付け例)

 同シリーズは、飲食店の口コミサイト「食べログ」で「カレー 百名店」に選ばれた店とコラボし、その味わいを再現するもの。これまでに10店と組み、このうちツナパハ監修で2021年に発売した「スリランカカリー チキン」(辛口)は好調な売れ行きを維持しているそうです。


2021年に発売された「スリランカカリー チキン」(辛口)

 ただ、この「辛口」は、お店で提供する味より辛さは抑えめ。「お店と同じにすると、辛すぎると感じる人が多いのでは」との躊躇(ちゅうちょ)があったそうです。しかし、開発部門には「いつかは同じような辛さの商品を!」との思いがあり、今回、辛いカレーの需要が伸びる「アツい夏」の限定企画として、実現に至りました。


ついに実現した「激辛」


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5段階を超える「10」

 ハウスのカレー製品のパッケージには通常、辛さの目安となる「辛味順位」を1~5の5段階で表示しています。21年にツナパハ監修で売り出した「辛口」はそのうち最高レベルの5ですが、今回の「激辛」はなんと10! 辛さの”メーター”が一気に振り切れました。


パッケージの「辛味順位」。(左から)「スリランカカリー チキン 激辛」の10、同じく「辛口」の5。ちなみに「バーモントカレー(甘口)」は1

 ちなみに、夏季限定商品として5月15日に同時発売された「ヴァスコ・ダ・ガマ」(大阪)監修の「濃厚ビーフカレー 大辛」の辛味順位は8と記載されており、ツナパハの「激辛」は際立つ辛さに仕上げられています。


同時発売されたヴァスコ・ダ・ガマ監修「濃厚ビーフカレー 大辛」(左)と、ツナパハ監修の新商品(提供:ハウス食品)

 ただし単純に、辛くしただけではありません。「ツナパハの特徴であるココナツミルクの風味を邪魔せず、お店のような彩りも再現したかった」と、開発を担当した同社食品事業二部のチームマネージャー、長瀬仁美さん(34)は明かします。

 調整を重ね、唐辛子のほか、香辛料抽出物を加えることで、うま味と彩り、シャープな辛味を両立させたとのことです。


商品をPRする長瀬さん(左)と前田さん

 発売に先立ってハウスが福岡市内で開いた発表会で、ツナパハのオーナー・前田勝利さん(81)は「店の辛さに近い。おいしい」と太鼓判。その言葉を聞いた長瀬さんは「うれしい」と、はにかんでいました。

「九州ランカ」を先導

 ツナパハは、福岡のスリランカカレー人気を先導してきた名店。前田さんが1988年に開業したスリランカ料理店「ヌワラエリヤ」がルーツで、94年にオープンしたツナパハは現在、天神エリアに2店を構えています。


ツナパハで提供している「スリランカカリー」

 ツナパハのカレーは、辛味のスパイスとコクのあるココナツミルクの絶妙なハーモニーで、ファンを広げてきました。中央にライスを盛り、ごろっとした具材とカレーで囲む盛り付けも目を引きます。

 福岡では、こうしたメニューを「スリランカカレー」として提供する店が増えています。ご当地グルメの一面もあり、カレーマニアの間では「九州ランカ」と呼ばれ、注目されています。


「お店のことをもっと知ってもらえたら」と願う前田さん(ソラリアステージ内の「不思議香菜ツナパハ+2」前で)

 レトルトで登場した新商品は、内容量180グラムで、オープン価格(参考小売価格は税別329円)。ハウスは今回、12万食の販売を目指しています。

 長瀬さんは「九州や福岡ならではのカレーを多くの人に楽しんでもらい、『九州ランカ』や全国のカレーを一緒にもっと盛り上げていきたい」と話します。前田さんは「商品を通じて、お店のことを全国の人に知ってほしい」と願っています。



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