福岡の幕末・維新史が本に 歴史作家の浦辺登さんが「維新秘話 福岡」を出版
福岡市在住の歴史作家・書評家、浦辺登さんが『維新秘話 福岡――志士たちが駆けた道』を花乱社(福岡市)から出版しました。読売新聞の福岡県版で2017年6月~18年12月に連載した「維新秘話 福岡」に増補加筆。福岡県内の明治維新ゆかりの地を訪ね、埋もれた歴史の事実や人物の事績を掘り起こしており、「歴史散策ガイド」と銘打っています。
写真と地図を交えて66話を紹介
筑前、筑後、豊前の地域別に、福岡、久留米、柳川、小倉各藩の成立と幕末・維新史の概要を説明したうえで、計66話をふんだんな写真と地図を交えて紹介。取り上げた場所を示した福岡県の全域図を巻頭に、関連年表を巻末に掲載しています。
薩摩、長州など幕末の福岡と関係が深かった藩だけでなく、会津藩や新選組などとの意外なつながりも描いています。従来、維新史で顧みられることが少なかった離島を多く取り上げたのも特色です。
浦辺さんは「福岡には明治維新に関するものなどほとんどないと思っている人が多いが、『維新の策源地(後方基地)』と呼ばれる太宰府をはじめ、実は重要な役割を果たした土地や人物が多い」と強調。「福岡の維新史が、アジアにも活躍の舞台を広げた近代、そして現代の私たちにつながっていることを考える基盤になったらいい」と話しています。
A5判200ページ。1800円(税別)。問い合わせは花乱社(092-781-7550)へ。