太宰府天満宮参道の梅ヶ枝餅 月に一度しか販売されない限定味とは

記事 INDEX

  • 梅ヶ枝餅のルーツは?
  • 17日は「紫」、25日は「緑」
  • 人出が戻りつつある参道

 太宰府天満宮(福岡県太宰府市)の参道といえば、思いつくのは名物「梅ヶ枝餅」です。毎月17日と25日にだけ、通常とは異なる特別な梅ヶ枝餅が販売されているのをご存じでしょうか。


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梅ヶ枝餅のルーツは?

 福岡県民にとっては、何かと口にする機会も多い梅ヶ枝餅ですが、そのルーツを知る人は意外と少ないようです。

 梅ヶ枝餅の起源には諸説あります。平安時代に京の都から左遷された菅原道真公を慰めようと、餅売りのおばあさんが梅の枝を添えて差し入れたとか、軟禁状態にあった道真公の部屋の格子ごしに餅を渡すとき、梅の枝にさして渡したとか。


焼き立ての梅ヶ枝餅は外がパリッと

 太宰府市文化財課によると、梅ヶ枝餅とみられるものが文献に登場するのは江戸時代に入ってから。狂歌師・大田南畝(蜀山人)が1805年に著した「小春紀行」に、大宰府の関係者が安全のお守りとともに「梅かえといふ餅一箱」を持参したことが書かれています。

 江戸時代には、現在のように参拝の土産として親しまれ、定着していたようです。


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「緑」と「紫」の梅ヶ枝餅


通常の白い梅ヶ枝餅とよもぎ入りの梅ヶ枝餅

 参道の各店には、毎月17日に古代米入りの紫色、25日にはヨモギが入った緑色の梅ヶ枝餅が並びます。

 ヨモギ入りの販売開始は2008年。道真公の月命日にあたる25日のみの取り扱いです。太宰府梅ヶ枝餅協同組合によると、以前にもヨモギ入りの梅ヶ枝餅をつくっていましたが、ヨモギの調達が難しくなり、それまで20年以上も途絶えていたそうです。

 古代米のものは2015年から。天満宮のそばにできた九州国立博物館の開館10周年を記念して企画し、毎月17日を「きゅーはくの日」と銘打って限定販売しています。


古代米入りの梅ヶ枝餅(撮影場所:かのや)


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参拝者が戻りつつある参道

 新型コロナウイルスによる外出自粛中は、それまで観光客でにぎわっていた参道から人影が消えました。

 外出自粛がとけ、梅ヶ枝餅を手に参道を歩く人の姿が徐々に戻りつつあります。


週末の人出が戻りつつある参道(10月17日撮影)

 太宰府梅ヶ枝餅協同組合理事長で、「かさの家」社長の不老安正さんは「少しずつ参拝者も増えてきて安心しています。皆さまに安心して来ていただけるよう、新型コロナ感染症対策も万全にしていきたい」と話しています。

 組合ではヨモギ、古代米に続く新しい商品も研究中とのことです。



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