障害者が手がけた小倉城みやげ 「しろテラス」で8月末まで販売

「しろテラス」で販売されているプロジェクトの開発商品

 北九州市内の障害者就労支援事業所などに通う人たちが、小倉城を訪れる観光客をターゲットに商品を開発した。天守閣にある日本画の虎をモチーフにしたコースターや、忍者を描いたマグネットなど20種類が、8月31日まで小倉城の物販休憩施設「しろテラス」で販売されている。

NUKUMORI PLUSプロジェクト

 障害のある人が手がけた商品の魅力を広めようと、市が始めた「NUKUMORI PLUSプロジェクト」の一環。スポーツや季節のイベントなど様々なテーマで商品開発に挑み、多くの人に手に取ってもらうことで、社会参加の促進につなげることを目指す。

 第1弾のテーマが観光で、国内外から2024年度は約30万人が足を運んだ小倉城や、日本らしさをイメージした商品の開発を呼びかけた。17事業所から128種類の案が寄せられ、しろテラスのスタッフの目利きで販売する20種類の商品が選ばれた。

「価値を伝え、工賃の底上げに」

 「ファクトリーann」(八幡西区)の吉田鈴さん(28)は、水引で虎の顔を表現したマグネットを制作。「きれいな形にするのが難しかった」と苦労した点を語る。忍者のマグネットを手がけた「門司障害者地域活動センター」(門司区)の今田奈緒美さん(35)は「外国の人にも買ってもらいたい」と話した。


手がけた商品を紹介する作り手たち


 プロジェクトには、市内の就労継続支援B型事業所で働く人の工賃アップにつなげる狙いもある。2023年度の市内事業所の月額工賃は、全国平均を上回るものの平均2万4011円となっている。


 北九州市の武内和久市長は「多くの人に、障害のある人が作る商品の価値に気づいてもらい、工賃の底上げにつなげたい」と語った。


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