天神のど真ん中で「登山」を楽しむ アクロス福岡がすっかり山!
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福岡市・天神の福岡県庁跡に建てられたアクロス福岡。14階建てビルの南側壁面に整備された階段状のステップガーデンでは、植栽された木々が成長し、都心にいながら豊かな自然を体感できます。ビルの完成から間もなく四半世紀。深い緑にすっかり覆われた標高60メートルの「アクロス山」に登ってきました。
いつか自然へ還る木々
スダジイ、オオハマボウ、サザンカ――。ステップガーデンには常緑種と落葉種が6:4の割合で植えられ、四季折々に変化する植物の表情を楽しめます。1995年の完成時に76だった樹種は、いまや200を超えるまでに。鳥や風が運んだ種が育った事例も数多く確認されています。「ひとつの山を育てる」ように丁寧に整備されているのは、ビル建て替えのタイミングが訪れたら、ここで成長した木々を九州各地の山々に移す予定だからなのだそうです。
植物が根を張っているのは土ではなく、「アクアソイル」と呼ばれる人工土壌。重量は土の3分の1ほどで、組み合わせによって保水と排水のバランスを自在に調整できます。
雨が降れば、植物が必要とする60日分の水分を蓄えられるそうです。余分な水はアクアソイルをつたって階下へ落ちていきます。実際の山と同じような排水システムというわけです。
ゆっくり15分で展望台に
アクロス山に登ってみました。天神中央公園に面した建物南側1階に、西コースと東コースの登り口がそれぞれあります。西コースを選びました。緩やかに続く階段には小石が敷き詰められ、雨が降っても滑りにくい仕様になっています。勢いよく伸びる枝葉や、小さな昆虫が飛び交う中を歩いていると、天神にいることを忘れそうです。階段の脇には、植物の解説文がところどころに添えられ、名前や特徴を知ることができます。
全部で809段ある階段は、登っていくと幅がだんだん狭くなります。この視界変化には、体感時間を短くする効果があるのだそうです。登り始めて15分。少し息が上がり、額に汗がにじみ出すころ、最上部の展望台に到着しました。
土日、祝日にだけ開放されている展望台では、360度のパノラマが広がり、立ち並ぶビルや博多ポートタワーのほか、能古島や志賀島のシルエットも遠くに見えます。今後、「天神ビックバン」をはじめとする再開発が進めば、ここから眺める街の景色も変わっていくことでしょう。
バーチャル登山も参考に
ステップガーデンは徒歩で登るしかありません。GoogleMapのストリートビューに展望台までの道のりがアップロードされており、こちらも参考になるかもしれません。
梅雨が明け、いよいよ夏本番――。 アクロス山の頂上を目指す際には、十分な暑さ対策をしてからお出かけください。
名称 | アクロス福岡 ステップガーデン |
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所在地 | 福岡市中央区天神1丁目1-1 |
公開時間 | 3月~4月 9:00~18:00
5月~8月 9:00~18:30
9月~10月 9:00~18:00
11月~2月 9:00~17:00 ※展望台は土曜、日曜、祝日のみ公開 |