鉄腕アトムと宇宙技術開発からAIを知る企画展 福岡市科学館で
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福岡市科学館(福岡市中央区)で、AI(人工知能)をテーマにした企画展「What’s AI?―AIってなんだろう―」が2月23日まで開かれています。鉄腕アトムの世界を通じてAIと人間の関わり方を考え、人工衛星などの展示から宇宙開発とAIの関連も学ぶことができます。
技術との向き合い方を考える
企画展は、アトムの資料が並ぶ「鉄腕アトム ロボットと暮らす未来展」と、宇宙関連技術について紹介する「SPACE ENGINEERING SCHOOL~宇宙エンジニアになろう~」の二つで構成されています。共通するテーマは「科学技術の進歩と心の成長」。企画の出発点は「AIは人間の仕事を奪うのか?」という疑問だったそうです。
アトムの未来展は、複製原画の展示やアニメ上映のほか、アトム誕生シーンを再現した人形などが並んでいます。パネル展示では、人間とロボットの違い、作中に登場する「ロボット法」などについて紹介。アトムの世界観から、AI搭載ロボットと人との関わりを考えることができます。
アトムのデビューは1951年。雑誌「少年」で連載がスタートした「アトム大使」の脇役で初登場し、その後、主人公にした漫画が描かれました。2021年はアトムが初めて世に出てから70周年となります。
科学館の矢原徹一館長は「新しい技術とどう向き合っていくのか、手塚治虫さんが投げかけている問いを来館者のみなさんと考えたい」と話しています。
福岡発の人工衛星を間近で
宇宙の展示の見どころは、小型レーダー人工衛星「QPS-SAR」です。宇宙で現在稼働している衛星の試験モデルが設置されています。
この人工衛星は、九州大学発のベンチャー企業「QPS研究所」(福岡市中央区)が地場企業とともに開発したものです。悪天候でも地上を観測することができ、従来の20分の1の重さ、100分の1のコストで開発することに成功しました。
全36機を打ち上げることにより、地球のほぼ全域を10分ごとに観測できるようになります。2019年に1号機の打ち上げが成功し、2021年1月以降に2号機を打ち上げる計画とのことです。
衛星に使用されている部品も展示され、触れることもできます。QPS-SARの開発に携わった地元企業の関係者の写真とメッセージも壁に並んでおり、「この人たちが人工衛星をつくったのか」と胸が熱くなります。
QPS研究所の大西俊輔社長によると、地球と人工衛星がコンタクトできる時間はわずかしかなく、衛星には自立した動きが求められます。そのためには、AIの力が必要不可欠なのだそう。大西社長は「AIを使った人工衛星の技術が発展していくことで、アトムの時代に近づけていけたら」と語っていました。
現場の技術者による講座も
今回の企画展は、見るだけでなく「学ぶ」ことも重要なテーマです。期間中は子どもたちに、様々なワークショップが用意されています。
講師を務めるのは「QPS-SAR」に携わった企業の技術者たちです。「ロケットの振動にも耐える強い構造づくりを考えよう」や「人工衛星のパワーを支える電気のしくみ」など、実用化された先端技術を現場のエンジニアから学び、宇宙産業の「今」を体感することができます。
参加無料で、定員は各回18人。予約フォームからの事前申し込みが必要です。
イベント名 | What's AI?―AIってなんだろう― |
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開催日 | 2020年12月19日(土)~2021年2月23日(火・祝) ※火曜休館(2月23日は開館) |
開催場所 | 福岡市科学館(福岡市中央区六本松4-2-1) |
開催時間 | 9:30~17:30(入場は17:00まで) |
料金 | 大人:800円/高校生以下:400円 |
公式サイト | What's AI?―AIってなんだろう― |