気軽にアウトドア体験 福岡市植物園で冬季限定イベント「焚き火の時間」
福岡市植物園(福岡市中央区)で、焚(た)き火を体験できる冬季限定イベント「焚き火の時間」が、2月末までの日曜・祝日に開かれています。焚き火にあたりながら、物思いにふけったり芋を焼いたりと、日常からはなれた時間を過ごすことができます。
冬の恒例イベントに
イベントは2017年、「冬の閑散期に植物園らしいイベントで集客を図りたい」との思いからスタートしました。
冬の約3か月の間、毎週日曜と祝日に実施。リピーターが訪れるほどの人気で、多い日は約150人が入れ替わりながら暖をとるとのことです。今季も秋頃から「今年もありますか?」と問い合わせが入り、植物園の恒例イベントとして定着してきました。
新型コロナウイルスの影響で、密を避けられるキャンプがブームですが、専用の台を使わなければ焚き火は禁止という施設も多く、初心者には少しハードルが高いそう。植物園なら、職員が火の準備や管理も行うため、安心して焚き火を楽しめます。
見ていて飽きない炎
燃料の薪は、園内の樹木の剪定(せんてい)で出た枝や枯れ葉を使います。レンガを敷いた特設台の上に太い幹で囲いを作り、内側に細い枝と枯れ葉、新聞紙を置いて準備完了です。マッチで火を付けたら、すぐに燃え上がりました。
炎が大きくなると、迫力満点です。時間が経つとちょうどよい加減の炎になり、園を訪れていた家族らが次々と集まってきました。
この日の福岡市は最高気温5度。記者も暖をとらせてもらいました。ゆらゆら形を変えていく炎は、見ていて飽きることがありません。ぼーっと火をながめ、仕事のことや今年やりたいことなどを考えました。
風向きが変わると煙がこちらに流れてくるため、時折移動します。ただ、煙のにおいも普段はかぐことがないので、とても新鮮に感じました。
「焚き火グルメ」も
「焚き火の時間」では、植物園に植える花代を寄付した人にマシュマロやさつま芋をプレゼントします。特に人気なのはマシュマロで、子どもも大人も竹串に刺してあぶりました。記者も花代を寄付して体験させてもらいました。
マシュマロを焚き火であぶるのは初めて。とりあえず火の上にかざすと、「それじゃあ焦げますよ」と職員からアドバイスが。確かに、数秒で黒くなってしまいました。少し離れたところで串を回しながらじっくりと火を通すのがコツだそうです。
焦げたところもカラメルのような風味でおいしかったです。二口ほど食べて、また火に戻します。次はじっくり慎重に焼き、茶色になる程度に。今度はとろけるような食感で、これもまた美味でした。
続いて焼き芋。使うのは、ねっとりとした食感が特徴の品種「シルクスイート」です。水につけた新聞紙で芋をくるみ、その上からアルミホイルを巻きます。こうすることで、蒸し焼きのような状態になるそうです。
薪の下に入れて待つこと25分。包みを開けて割ってみると…
見事な黄金色です。やわらかな食感に、確かな甘みがあり、スイーツを食べているかのような味わいでした。
市街地のそばで焚き火を気軽に楽しめたうえ、「焚き火グルメ」も堪能でき、とても充実した時間でした。
イベント名 | 焚き火の時間 |
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開催日 | 2020年12月13日~2021年2月28日の日曜・祝日 |
開催場所 | 福岡市植物園(福岡市中央区小笹5-1-1) |
開催時間 | 13:30~15:00 |
料金 | 動植物園の入園料が必要 大人:600円/高校生:300円/中学生以下:無料 |
公式サイト | 福岡市植物園 |