泊まるだけじゃない!「ユニーク宿泊施設」で楽しい思い出を
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記事 INDEX
- 部屋のそばに駅ホーム
- カプセルホテルも進化
- 城に泊まって”天下人”
コロナ禍で控えていた旅行への熱が高まっている。ただ泊まるだけでなく、ユニークな体験ができる宿泊施設も人気を集める。
部屋のそばに駅ホーム
福岡県田川市の田川伊田駅は、駅舎が改装された2019年に「田川伊田駅舎ホテル『俺たちの旅』」が併設された。客室は寝台列車風で、窓を開けると目の前に駅のホームが広がり、列車を至近距離で眺めることができる部屋もある。
シャワーやトイレ、ミニキッチンは共用で、1泊1人3960円(素泊まり)など。週末は鉄道ファンらでにぎわい、5月中旬に宿泊した50歳代の男性は「駅が目の前で、ここでしか味わえない雰囲気」とうれしそうだった。
部屋ごとに異なる演出をするホテルもある。福岡市東区の「The358 SORA」には通常の客室のほかに、ユニークな内装を施した部屋が7種類あり、一番人気は「アスレチック」。壁でボルダリングを楽しめ、2段ベッドに滑り台を設置し、ロープ遊具も置いている。
「プリンセス」の部屋は城の形のベッドやシャンデリア風の照明があり、ドレスやティアラの無料貸し出しも行っている。他に「恐竜」や「グランピング」をテーマにした部屋がある。1泊1人1万3090円(素泊まり)など。
カプセルホテルも進化
カプセルホテルも進化している。福岡市博多区の「The Millennials(ザ・ミレニアルズ)福岡」は、「スマートポッド」と呼ばれる客室がずらりと並ぶ。高さは約2.3メートルで、立つことや着替えることもできる。ベッドは電動リクライニング式で、照明などを含めすべて携帯端末で操作する。
シャワーやトイレは共用。客室フロアは3階で、1階にはレストランやバー、2階には電源を備えた机やソファが並ぶラウンジもある。利用者にはビールなどのサービスもあり、1泊4000円など。宿泊部門の加藤雅昭さんは「宿泊客がバーやラウンジに集うことで出会いが生まれる。交流を楽しんでほしい」と話した。
城に泊まって”天下人”
長崎県平戸市の平戸城は、1日1組限定で宿泊できる。平戸城は明治時代に廃城となり、現在の城は1962年に復元された。改装を経て2021年4月、見張り台「懐柔櫓(かいじゅうやぐら)」(2階建て)を「平戸城CASTLE STAY(キャッスルステイ)懐柔櫓」としてオープンした。
琳派の画家が描いた壁画などをしつらえた豪華な内装で、ガラス張りのバスルームからは平戸大橋を見下ろせる。滞在中には、重要無形民俗文化財の「平戸神楽」鑑賞や平戸藩松浦家に伝わる武家茶道などの体験プログラム(別料金)も用意されている。1泊40万円から(食事代別)。
きっかけは17年に同市が企画したイベントで、天守閣への宿泊希望を募ると約7500組の応募が寄せられた。アジアやアメリカなどの海外客も増えており、「歴史の世界に入り込んだような非日常的な体験」(中国・40歳代男性)などと好評だ。
コンシェルジュの苅宿晴太さん(26)は「平戸の文化を体験しながらお殿様気分に浸って」とほほえむ。
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