マスクのない日常 気になる「香り」、関連商品に集まる注目
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記事 INDEX
- 自分で作れる
- 品ぞろえ強化
- 簡単!香り袋
コロナ禍前の日常が戻りつつあるなか、マスクを外して気になるのが「香り」や「におい」だ。芳香を楽しむ体験や商品が人気を集めている。
自分で作れる
福岡市中央区大名に2022年10月オープンした香水専門店「ザ フレイバーデザインストア福岡」は、若者でにぎわう。人気の理由は、服などに吹きつけるミストを好みの香りで作れること。約20種類のサンプルから2、3種類を選び、従業員と相談しながら配合を決める。
体験1回で4950円(1本100ミリ・リットル)。かんきつ系やせっけんなどの甘い香りが人気で、同市の会社員、野口優美さん(22)は「厳選した香りで個性を出したい」と笑顔を見せた。
マスク着用のルールが緩和された3月頃から来店者が増え、大型連休中は4時間待ちの人もいたという。木村愛里店長(27)は「気分に合わせて香りを選ぶのがトレンド」と話す。
福岡県太宰府市の「FUCCA」でも自分だけの香水(2500円)を作ることができ、ラベンダーやひのきなど12種類の天然精油から3種を選ぶ。申し込みが予想を超え、店外に別会場を設けて対応。近くの太宰府天満宮にあやかってお清めの塩を加えた店オリジナルの香水(1500円)も人気だ。
品ぞろえ強化
香りに関連する商品の需要は伸びており、日本香料工業会によると、2022年に国内で生産された香水や化粧品などの香料は約8200トンで、18年より1割増えた。
福岡市の「ハンズ博多店」は品数を増やし、日焼け止め兼用の香料スプレーは昨年の3倍近い11アイテムを扱う。オリジナルの「nodoka」シリーズは今年、ルームミスト(300ミリ・リットル、1490円)などを400個近く(5月11日現在)販売した。
香りが注目される背景には、マスクを外してから「におい」が気になり始めた人の増加もあるようだ。
男性の美容医療を行うゴリラクリニック(東京)が4月、男性約670人に「マスクを外す際の心配ごと」を尋ねたところ、約6割が自分や他者のにおいと回答。同院では「ノーマスクになって、脇汗などのにおいに気付いたという人も増えている」と説明する。
「大分香りの博物館」(大分県別府市)の学芸員の大津留聡さん(39)によると、香りには不快なにおいを目立たなくする「マスキング作用」がある。「香りは第一印象を左右する。今後は対面で人と会う機会が増えるので、TPOに合わせて香りを使い分ける習慣が広がるのでは」と話す。
簡単!香り袋
靴やタンス、クローゼットなどの嫌なにおいは、サシェ(香り袋)で消臭するといい。日本エッセンシャルオイルスタイリスト協会公認講師の新庄春菜さん(39)(宮崎県門川町)が、簡単な作り方を教えてくれた。
用意するのは使い捨てマスクと重曹、好みのアロマオイル。オイルを垂らした重曹(大さじ1~3)を筒状に広げたマスクに入れ、端を折りたたんで袋状にして、口をホチキスで留めるだけだ。マスクのひもは、片方を切り取り、もう片方は残しておくと、フックなどに掛けるのに便利という。
オイルの量は重曹大さじ1に対し2滴で、抗菌・消臭にはレモンやユーカリ、体臭にはペパーミント、防虫にはクローブがよく、1か月程度は効果が続く。
男の子3人を育てている新庄さんは「子どもと一緒に工作感覚で作ってもいい。香りを楽しく生活に取り入れて」と話す。
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