昭和・大正が新鮮!おしゃれ! Z世代で「レトロブーム」

昭和や大正時代のムードが楽しめる福岡県内の店

記事 INDEX

  • 築100年の屋敷を店に
  • ”未体験”の過去に魅力
  • 雑貨や駄菓子も熱い!

 若者を中心に、レトロブームが熱い。福岡県内にも昭和、大正時代のムードを楽しめる店が登場し、話題を集めている。

築100年の屋敷を店に

 うきは市に9月、築100年の屋敷を改築した店「旅する喫茶うきは」がオープンし、大正モダンな雰囲気の中で飲むクリームソーダが人気だ。


「旅する喫茶」でクリームソーダを紹介する渡辺さん


 和室には使い込まれた文机やたんすが置かれ、ワイン色のカーペットが敷かれた洋室にはシャンデリア風の照明がつるされている。定番メニューはメロンソーダにアイスをのせた「懐かしのクリームソーダ」(750円)や、ソーダ水が群青色のグラデーションを描く「夜空」(900円)などで、店でクリームソーダを注文した福岡市の女性は「古さが逆に新鮮でおしゃれです」と笑顔を見せた。


 店長の渡辺委(やまと)さんは、友人2人とともに2019年頃から全国各地で期間限定の喫茶を運営し、SNSなどで話題となった。21年に東京で1号の固定店舗を開き、うきは市の店は2号店。「レトロな雰囲気の建物に魅せられました」と理由を説明する。


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”未体験”の過去に魅力

 ブームのけん引役は、1990年代後半から2000年代初頭生まれの「Z世代」だ。Z世代を調査する研究機関「Z総研」(東京)のプランナー海本栞璃(しおり)さんによると、10年代後半に使い捨てカメラや純喫茶がSNSで広まったことが始まりで、「Z世代は、常に新しいものに囲まれている状況に飽き、自分たちが体験していない過去に魅力を感じるのでは」と分析する。

 “過去のもの”として代表的なのがレコードだ。福岡市中央区には21年11月にレコード店「LIVING STEREO(リビングステレオ)」がオープン。客の多くはレコード世代ではない10~20歳代で、中にはプレーヤーを持っておらず、ファッション感覚で購入する人もいるという。


レコードを紹介する児玉さん(右)

 中古品の買い取りも行っており、定価の10倍以上の値がつくものも珍しくないそうだ。店では、レコードの良さを広めようと、スピーカー内蔵のプレーヤーも販売。運営する「フォーティツゥ」(福岡市)の代表取締役、児玉太樹さんは「レコードでしか味わえない音の深みや厚みがあり、若者は憧れを抱くのかも」と話す。

雑貨や駄菓子も熱い!

 懐かしい雰囲気の雑貨も人気で、北九州市八幡東区の雑貨店「one'sterrace(ワンズテラス) イオンモール八幡東店」では、花柄の食器や鍋、文房具など約50点をそろえ、20~30歳代の女性に人気という。


懐かしいデザインの食器が並ぶ「ワンズテラス」

 特によく売れるのは「石塚硝子」(愛知県)が製造する復刻版「アデリアレトロ」シリーズで、動物や花柄のグラスが定番。店長は「完売することもあり、ブームの熱さを感じます」と話した。


映画ポスターなどが貼られた「昭和焼肉」の店内

 レトロな雰囲気の中で食事ができる焼き肉店もある。19年2月にオープンした福岡市博多区の「昭和焼肉」は、オーナーが集めたほうろう看板や映画ポスターが壁一面に飾られている。店のBGMは昭和のアイドルソングや歌謡曲で、若者だけでなく昭和世代や海外からの観光客にも人気だそうだ。階段を上った3階には、バー「昭和レトロbar駄菓子」があり、2時間2420円で100種類以上の駄菓子をお酒と一緒に楽しめる。


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