本との出会いにワクワク 読書の楽しみ広げる「個性派書店」

鳥の洋書を客に紹介する「コトリノ・古書店」の首藤さん(中央)

記事 INDEX

  • 鳥づくしの2000冊
  • ギャラリーと書店と
  • 知らない世界への扉

 全国的に書店が減少する中、個性的な「まちの本屋」が人気を集めている。福岡県内の書店でも、得意のジャンルに特化したり、思わぬ本と出会える工夫を凝らしたり。読書の楽しみを広げる強い味方になってくれそうだ。

鳥づくしの2000冊

 福岡市南区の「コトリノ・古書店」は鳥専門の書店。鳥に関連する自然科学書や写真集、鳥が登場する小説、鳥が主人公の絵本などの古書や新刊本が、洋書も含めて約2000冊並ぶ。店のBGMは鳥のさえずりで、ポストカードなどの鳥グッズを販売するなど鳥づくし。絵本を購入した女性客は「厳選された鳥の本がそろい、店にいるだけでワクワクします」と笑顔で話した。


鳥関連の本が並ぶ店内


 店主の首藤都友さんは元カメラマンで「気付いたら鳥が好きになっていた」といい、30歳代から本格的に鳥の本や雑貨などの収集を始めた。魅力を広めたいと、2015年に店をオープン。「鳥が飛ぶ姿や鳴き声は美しい。まちなかの身近な鳥も、注目すればきっと生活に彩りが生まれる」と呼びかける。


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ギャラリーと書店と

 同市中央区の「LIBRIS KOBACO(リブリスコバコ)」は「写真」がテーマで、写真集専門書店と写真ギャラリーを数か月ごとに交互に開く。店主の増田みささんは、東京で長年スタイリストとして活動。カメラマンとの仕事を通じて写真の魅力を知り、東京ではギャラリーを巡って楽しんでいたが、出身地の福岡市では写真集が充実した書店や写真展を見る機会が少ないと感じ、19年7月に開業した。


写真ギャラリーと写真集専門書店を交互に開く「リブリスコバコ」

 現在は改修のため休業中で、3月に再開予定。増田さんは「他人の目で世界を見ることができるのが写真。その面白さを体験してほしい」と話す。

知らない世界への扉

 ユニークな仕掛けで本を紹介する書店もある。

 北九州市門司区の本屋カフェ「みぢんこ」は、本の「ガチャガチャ」を設置している。ハンドルを回すと出てくるカプセル内の番号の本がもらえて、キーホルダーなどのおまけも付く。一般書籍は1回1600円、漫画本は1回470円。ジャンルなども選べず、思いもよらない本が出てくるワクワク感が味わえる。


「みぢんこ」に設置した本のガチャガチャを紹介する野村さん

 同市の照明器具商社「アルモン」の社長で本好きの野村伸二さんが22年にオープンし、「普段選ばない本を読むきっかけを作りたい」とスタッフの発案で設置した。店のカフェスペースでは文庫本とスイーツ、飲み物のセット「文庫と茶」(1000円)も提供しており、本はカバー付きで出されるため開くまで書名がわからない。野村さんは「読書の間口を広げることにつながればうれしい」と話す。

 15年に開業した福岡市中央区の「福岡天狼院」は全国に7店を構える「天狼院書店」の福岡店で、本と関連した多彩な講座やイベントを企画する書店として知られる。人気企画の一つが「読継(よみつぎ)本」で、客が読んで感動し「誰かに読んでほしい」と思った本を出品できる。出品本にはカバーがかけられて書名がわからない状態で書棚に並び、出品者による紹介文を読んで興味を持った人が購入する仕組みだ。本には出品者の名前やSNSの情報が書かれた「読継カード」が添えられ、購入者と出品者が交流する機会も生まれる。


読継本が並ぶ「福岡天狼院」の書棚

 ほかにも、厳選した本を書名を隠した状態で販売する「秘本」も好評で、店長の鳥井春菜さんは「来店した人が、実りや気づきなど何かを得られるような書店にしたい」とほほえむ。

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