戦後復興の五輪聖火が走った門司「旧電車通り」 うねるカーブの先に・・・
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望遠レンズをのぞくと、まるで蛇のようにくねくねと緩やかなカーブが続く。北九州市門司区の風師(かざし)地区を走る国道3号。東京五輪を控えた56年前、今は「旧電車通り」とも呼ばれるこの道を聖火ランナーが駆け抜けた。
当時高校1年だった地元の菱田哲郎さんは、その様子を見送った一人。体操部の練習を終えて帰宅途中、トーチから勢いよく上がる白い煙と人混みに「あー、今日だったな」と眺めたという。「目の前の生活で精いっぱいだったんでしょうね。それ以外の記憶がありません」
今回の東京五輪でも、5月に門司レトロ地区を聖火ランナーが走る予定だったが、延期となった。菱田さんは「来年実施されたら、当時を思い出しながら見に行こうって、妻と話をしているんです」と楽しみにしている。