九州電力は3月20日、石油火力の豊前発電所(福岡県豊前市)の敷地内で建設していたサーモンの陸上養殖場が完成し、生産を始めたと発表した。九電が養殖事業に参入するのは初めてで、7月頃の出荷を目指す。
豊前発電所の遊休地を活用
稚魚養殖の「井戸内サーモンファーム」(大分県由布市)などとの共同出資会社が、運転停止中の豊前発電所の遊休地を活用して建設した。養殖場は約2000平方メートルで、8基の水槽を備える。生産能力は年間約300トンで九州最大級という。
この日、サーモンの稚魚約2万匹を水槽に投入した。「みらいサーモン」のブランド名で、夏頃から九州内で販売される予定で、将来的には九州以外や海外への販路拡大も目指す。生産能力を年間約3000トンまで引き上げることも検討する。
サーモンは国内外で消費が増えており、陸上養殖に参入が相次いでいる。RKB毎日ホールディングス(福岡市)は福岡県宗像市で2024年度内の生産開始を目指している。