<あの日>「門司港レトロ」オープン/1995年3月25日
1995年3月25日、北九州市の門司港レトロ地区がオープンした。かつての活気を失った港町の再生を目指す取り組みで、一帯は国内外から多くの人が訪れる九州有数の観光地に生まれ変わった。
門司港は1889年(明治22年)に国の特別輸出港に指定され、1916年(大正5年)には外国貿易の出入港船舶数が日本最多になった。しかし、戦後は貿易の取り扱いが減少し、さらに関門トンネルや関門橋の開通により地盤沈下が進んだ。
1988年、歴史ある建造物や自然景観を生かしたまちづくりの整備計画が策定され、「都市型観光拠点」として門司の再生がスタート。第1期事業(1988~94年度)では、旧門司三井倶楽部(国重要文化財)を門司港駅(同)の前に移築し、旧大阪商船(国登録有形文化財)も修復するなど、歴史的建造物の保存・活用を進めた。駅前の広場や船だまりのはね橋も整備された。
オープン後の第2期事業(97~2007年度)でも、関門海峡ミュージアムや九州鉄道記念館などの集客施設が次々に誕生。2019年には大正時代の姿に復元された門司港駅が全面開業した。