コロナ禍前は全国各地で活動しながら、感染拡大の影響で公演中止が続いていたダンスチーム「覆面和踊(わおどり)集団 太宰府まほろば衆」(福岡県太宰府市)が、本格的に公演活動を再開している。動画配信などでも活躍の場を広げており、4年ぶりに通常開催される4月16日の「第17回太宰府門前真舞祭」では、イベントの最後に登場して演舞を披露する予定だ。
ミステリアスでダイナミック、海外でも人気
太宰府まほろば衆は、太宰府を盛り上げようと市商工会を中心に2002年に結成。現在のメンバーは学生や会社員ら約20人で、「太宰府」や「平安時代」をテーマにしたオリジナル曲に合わせ、布や笠(かさ)で顔を覆ったまま踊る。大宰府に左遷された菅原道真が死後に雷神となって、都に雷を落としたという言い伝えを題材にした曲もある。
ミステリアスでダイナミックなダンスは評判を呼び、コロナ禍前は全国各地で年30~40回の舞台に出演していた。海外での人気も高く、19年に韓国で行われた覆面ダンスの国際大会「国際マスクダンスフェスティバル」では「少人数の部」で優勝を果たした。
コロナ禍 動画配信で評判
しかし、コロナ禍では、公演が軒並み中止となった。練習場所がワクチン接種会場になるなどして、集まることも難しくなった。そんな中、メンバーたちは、個人での練習を続け、動画投稿サイト「ユーチューブ」への投稿に力を入れると、「独特の世界観」と評判を呼び、動画の再生回数が64万回を超えることもあった。
ほかの音楽家との共同制作も手がけ、22年には歌手Eveさんがアニメ「呪術廻戦」の主題歌を歌うミュージックビデオに出演した。メンバーの山口なつみさんは「表情では思いを伝えられないからこそ、振りの一つ一つに心を込めている。コロナ禍でもしっかり練習を続けてきたのでいい踊りができる」と力を込める。
作曲や振り付け、衣装デザインを担当する代表は「ようやく公演が増えてきた。海外での活動を増やし、太宰府や日本の魅力を広めたい」と意気込んでいる。
16日の太宰府門前真舞祭は午前9時~午後4時半、だざいふ遊園地前と九州国立博物館前の2ステージで開催される。太宰府まほろば衆のメンバーが加わる実行委員会と太宰府観光協会の主催で、県内外の52団体が出場し、振り付けや踊りの完成度などを競う。太宰府まほろば衆は全団体の演技終了後に登場し、菅原道真の「飛梅伝説」にちなんだ踊りを披露する。入場無料。
追加のメンバーを募集中。イベントや入会に関する問い合わせは太宰府まほろば衆(090-5475-6659)へ。