交通死亡事故多発 福岡県が22年ぶり「警戒宣言」発令

 4月8~17日の10日間で交通死亡事故が7件相次ぎ、年初からの増加傾向に歯止めがかからないため、福岡県は19日付で「交通死亡事故警戒宣言」を発令した。発令は2001年11月以来22年ぶりで、期間は5月2日まで。

10日間で7件、速度超過が一因


取り締まりに出動する白バイ隊

 県警のまとめによると、今年に入って17日までに交通事故死者数は34人に達し、前年から16人増えてほぼ倍増。34人のうち、65歳以上の高齢者は前年同期比14人増の24人を占めた。時間帯別では、午前6~8時が6人で同4人増、午後6~10時が12人で同11人増えた。道幅が広く、スピードを出しやすい幹線道路での事故では、前年同期比倍増の30人が犠牲になっている。速度超過が一因とみられる。

 発令を受け、県はこうした事故の特徴をSNSや啓発チラシなどで周知。県警は、車両の通行量の多い幹線道路で、速度超過違反の取り締まりを徹底する。

 県庁では19日、特別取り締まり部隊の出動式が開かれた。県警の岡部正勝本部長は「死者数はここ数年にない勢いで急増しており、歯止めをかけるべく緊急対策を実施する。亡くなられた方々の無念な思いを心に刻み、死亡事故を1件でも多く抑止してほしい」と訓示。その後、白バイやパトカーが一斉に巡回へ向かった。


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