がん検査キット「犬用」もできました!九大発ベンチャー

 「線虫」と呼ばれる体長1ミリほどの生物を使ったがん検査技術を開発した九州大学発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(東京)が、犬用の検査キットを新たに実用化した。一般販売に先駆けて、取り組みを支援する福岡県を訪問し、服部誠太郎知事に事業概要を説明した。

福岡県知事に事業を説明


 同社は線虫が、がん患者の尿に近寄るという習性を利用した検査キットを開発し、2020年に実用化。胃がんや大腸がんなど15種類について、がんのリスクが判定できる。早期発見につながるとして、これまでに約35万人が受検したという。


服部知事(左)を訪問した広津社長


 5月からは、同様の技術を使い、犬を対象としたがん検査も始める計画。福岡市内にも研究拠点があることや、検査の解析を自動化する装置を開発する際に、県が支援したことなどが縁で表敬訪問が実現した。


「HIROTSU」社が開発した犬用の検査キット


 同社の広津崇亮社長らが4月11日に県庁を訪問し、事業概要や取り組みについて説明した。服部知事は「これからも県のバイオ産業の発展に向け、一緒に取り組んでほしい」と激励した。


 広津社長は「健康なときから定期的に受検することで早期発見につながる。多くの方に利用してもらいたい」と話していた。同社は今後、県民を対象に人と犬の検査キットをセットにしたパッケージの販売も予定しているという。


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