大牟田市動物園、大改修へ 「動物福祉」の充実を目指す

 福岡県大牟田市は、市動物園の飼育施設の老朽化を受け、今年度から4年間かけて大規模改修を行う。同園の特徴である「動物福祉」の取り組みを充実させるため、施設の配置を変えるなどして飼育環境を整備する。

 同園は1941年に開園。動物を快適な環境の下で飼育する「動物福祉」を重視し、動物たちの生活の質を向上させる様々な取り組みを行っており、全国から注目されてきた。

 しかし、92年の大規模改修から30年がたち、多くの施設が老朽化。手狭で繁殖に必要なスペースが確保できず、飼育数の減少や動物の高齢化も進み、飼育環境の整備が急務となっている。

4年間計画 モルモット舎移設など順次

 市は昨年度、動物園整備基本計画を作り、2026年度までにモルモット、レッサーパンダ、キリンの飼育施設を順次整備していく方針を決めた。

 計画によると、モルモット舎は正面ゲート付近に移して建て替え、放し飼いの様子などを紹介しながら動物福祉の考え方を伝える象徴的な施設にする。レッサーパンダとキリンの施設は拡張や増設などで飼育数を増やせるようにする。

来園者の利便性向上も

 また、園内に勾配が多いことから休憩用のベンチや椅子を設置したり、ベビーカーや車いすでもイベントに参加しやすいようスペースを確保したりするなど利便性を高める。

 入園者数は1992年の大規模改修時は40万人を超えていたが、近年は15万人程度にとどまっている。市は今回の整備を通じて前年比2%以上の増加を目標に掲げており、関好孝市長は「動物園の魅力を高めることで市内外から多くの人を呼び込みたい」と話している。


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