子どもを望む夫婦の経済的負担を減らそうと、福岡県は6月1日から、不妊治療の「先進医療」について、費用の一部を助成する事業の申請受け付けを始めた。1回の治療で5万円までを独自に支援する。
不妊治療は、人工授精のほか、卵子や精子を取り出して体内に戻す「体外受精」、「顕微授精」が昨年度から保険適用となったが、先進医療は適用外で全額自己負担となっている。その一方で、培養器で受精卵を観察し、子宮に戻す時機をうかがう「タイムラプス」などの先進医療は、体外受精と併用されることも多く、1回の治療で数万円の自己負担になることもある。
助成は、13の治療・検査で、1回5万円が上限。今年4月以降に体外受精など保険診療による治療を開始した夫婦(事実婚を含む)が対象で、妻が40歳未満なら子ども1人につき6回、40歳以上43歳未満なら3回まで助成する。夫婦のいずれかが県内在住であれば申請できる。
県子育て支援課の若藤繁裕課長は「経済的負担によって、子どもを望む方の選択肢を狭めないようにしたい」と話している。問い合わせは同課(092-643-3307)へ。