奮闘する看護師を応援! 八女・福島八幡宮の「看護守」

 新型コロナウイルス対応など医療現場の最前線に立つ看護師を応援しようと、福岡県八女市本町の福島八幡宮は、新しいお守り「看護守(まもり)」を作り、6月から授与を始めた。看護師で、現在はインスタグラムを通じて情報発信をしている福岡市の陣内千晴さん(27)が、神社に話を持ちかけて実現した。ナース服などをあしらったデザインも自身が考案。かわいらしさが評判を呼び、人気を集めている。


「看護守」を手にする陣内さん


ナース服や薬のデザイン好評


 陣内さんは兵庫県の病院で、集中治療室(ICU)担当の看護師として勤務。しかし、コロナ禍の過酷な労働環境で体調を崩し、2021年9月に退職した。その後、夫の転職に伴い、福岡市へ転居。医療の知識を生かして「何か新しいことに挑戦しよう」と昨年6月にインスタグラムのアカウントを開設し、就職して間もない若い看護師向けに基礎知識を届けている。

 具体的には、心筋梗塞(こうそく)の患者の心電図はどういう変化を起こしているかや、採血のデータから脱水症状を起こしていないかを確認する方法などを分かりやすく紹介。仕事の悩み相談にも乗っており、フォロワーは20代の看護師を中心に約4万3000人に上る。

 相談内容は、コロナの影響を感じさせるものが多い。現役の看護師からは「業務が多忙でほとんど休憩を取れず、夜勤も多い。退職するかどうか迷っている」、看護学生からは「コロナ禍で病院実習ができず、看護師になることへの不安が大きい」などの声が寄せられたという。

 こうした中、昨年12月に福島八幡宮に参拝した際に「現場で疲弊している看護師に喜んでもらい、前向きな気持ちになれるようなものが作れないか」と吉開雄基宮司に相談。これまで取り扱いがなかった看護師や看護に携わる人に特化したお守りを作ることになった。

 お守りは、表に「看護守」の文字を入れ、ナース服と聴診器、裏には、看護師が医療現場で身につける時計「ナースウォッチ」や注射器、カプセル入りの薬をデザイン。色は陣内さんが好きなピンク色にした。

 300個を用意し、神社の公式ホームページで事前予約を受け付けたところ、数日で予約枠の約220個が埋まったという。6月1日から神社で、1000円で授与しており、なくなれば追加で作成する。

 陣内さんは「コロナは5類に移行したが、看護師の負担はそれほど変わっていないと思う。医療現場で奮闘する看護師への応援の気持ちが込められているので、ぜひ手に取ってほしい」と話している。

 問い合わせは福島八幡宮(0943-22-3332)へ。


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